211話 ページ25
通話の切れた携帯を見つめる
「………」
全員が、沈黙する
これで終わりだ
俺たちの戦いは、呆気なく終わった
柊真昼は死んだ
世界の滅亡は止めれた
俺たちは囮
俺たちの知らないところで、戦いは終わっていた
やはり、主人公にはなれなかった
俺はグレンを見る
「……どうする?」
グレンが答えない
ただ、考え込んでいる
代わりに深夜が言った
「……とりあえず、投降しようか。Aの言う通りなら、僕たちがこれ以上戦う理由はない」
彼の言う通りだ
俺たちは投降するべきだ
これで、良いはずなのに
なぜ、こんなにも胸騒ぎがする
先ほどよりも、嫌な予感が強まる
Aに、おかしなところはなかったか?
いつもより、不審な点は?
電話越しだからよくわからなかったが、本当は、何か隠しているんじゃないか?
グレンが諦めたように笑う
「……ああ、そうだな」
『帝ノ鬼』の兵士たちが、こちらに向かってくる
その中心には、柊暮人がいた
柊暮人が言う
「お前たちを保護する」
それにグレンが鼻で笑った
「保護?監視の間違いだろ」
「そうとも言うな。だが、これは俺の意思じゃない。Aからの伝言だ」
その言葉に、俺は反応する
ジッと、柊暮人を見る
その視線に彼は肩を竦めた
「俺も詳しい事情はわからない。まさか柊真昼が殺されるとは。あいつの行動には驚かされるばかりだ」
「……本当に、何も知らないのか?」
「ああ」
俺の問いに、柊暮人は淡々と答えた
嘘を吐いている様子はない
柊暮人が言う
「こいつらを拘束しろ」
その言葉に、兵士たちが俺たちを拘束し始める
俺たちはそれに、素直に従った
グレンが言う
「保護じゃないのかよ」
「だがお前たちは裏切り者だ。Aから話を吐かせるまでは独房行きだ」
「そうかよ」
そんないつも通りの応酬を聞きながら、思う
本当に、全部終わったのか?
Aは、無事なのか?
そんな疑問を抱きながら、俺たちは『帝ノ鬼』に保護された
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きゃーぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました。こちらの作品の続編のタイトルはなんでしょうか? (2021年9月27日 19時) (レス) @page28 id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - 完結おめでとうございます!ですが19歳編、24歳編とまだまだ楽しみがいっぱいですね!そちらも更新待ってますので、お体に気をつけて頑張ってくださいね。 (2019年3月21日 0時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - みぃちゃん,mさん» ありがとうございます。続編もよろしくお願いします! (2019年1月26日 22時) (レス) id: 4bf1c586cf (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - とりあえずの完結ですね!お疲れ様でした!続編楽しみです!((o(。>ω<。)o)) (2019年1月23日 18時) (レス) id: c9db1120e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - いつも読ませていただいてます!!更新頑張ってください! (2019年1月23日 1時) (レス) id: 4456c6b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2018年12月8日 9時