200話 ページ14
バイクに乗りながら、私は上空を見る
そこにはボロボロの暮人兄さんと、真昼姉さん
私はその二人に向かって、銃口を向ける
「喰らえ、《霊鬼》！」
銃口から白い閃光が放たれる
それに真昼姉さんは微笑むのが見えた
彼女は暮人兄さんを殴りつける
凄まじい勢いで、彼が落下する
それを助けるために、私は刀を振り上げる
「《邪鬼》！殺すなよ！」
黒い塊が彼を飲み込む
衝撃を抑え、彼を地面に放り出す
それと同時、真昼姉さんはナイフを振り上げる
その衝撃で、閃光は二つへと分かれ、彼女を避ける
……やっぱり無理か
彼女は何事もなかったかのように、ゆっくりと地面に着地する
スカートがめくれないように、丁寧に押さえつけて
私はブレーキをかけ、暮人兄さんの横に止まる
誰もがこの出来事に戸惑い、動きが止まっている
彼女は余裕の表情で笑う
「あらA、出会い頭に攻撃なんて酷いんじゃない？」
「真昼姉さんもやったくせに」
「あはは」
笑う彼女を無視し、地面に倒れている暮人兄さんを見る
彼はなんとか上半身を起こす
それ以上は動けないようだった
「……全部幻術で、クーデターは起きてないのか？」
彼女はやはり笑うだけ
自分で考えろと言うことだ
彼は続ける
「二医の党首がいたのは……」
「それも幻覚」
私は聞く
「殺したの？」
「うん」
彼女はあっさり頷く
暮人兄さんが聞く
「そしてその情報をここで開示していいほどの目的を、おまえは既に達成したと？」
そうでなければ、彼女は話さない
自分の力を過信して、勝ち誇ることなど、彼女はしない
「……俺をここで殺さない理由があるのか？」
その問いに、彼女は首を傾げる
「大切なお兄様を、なぜ私が？」
殺す必要がないと言うことだ
生かしておいても、問題はない
だが、利用価値はある
だから彼は生かされている
そして彼女は突然、こんなふうに言った
「ねぇ兄さん。『柊』はなぜ、これほどの力を持てたんだろう？」
彼女はそれだけ言って、大きく一歩下がる
暮人兄さんの傷も修復したようで、彼は立ち上がる
「……おまえは一体、何と戦っている？」
「兄さん。人間の世界が終わるの。これは確定している運命」
「いったい誰が確定した？」
「………」
「誰だ？」
「………」
彼女は答えない
かすかに困ったような、弱気な顔
「まさか、柊か？」
彼女はまた、答えなかった
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きゃーぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました。こちらの作品の続編のタイトルはなんでしょうか？ (2021年9月27日 19時) (
レス) @page28 id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - 完結おめでとうございます！ですが19歳編、24歳編とまだまだ楽しみがいっぱいですね！そちらも更新待ってますので、お体に気をつけて頑張ってくださいね。 (2019年3月21日 0時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - みぃちゃん，ｍさん» ありがとうございます。続編もよろしくお願いします！ (2019年1月26日 22時) (レス) id: 4bf1c586cf (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,ｍ - とりあえずの完結ですね！お疲れ様でした！続編楽しみです！((o(｡>ω<｡)o)) (2019年1月23日 18時) (レス) id: c9db1120e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - いつも読ませていただいてます！！更新頑張ってください！ (2019年1月23日 1時) (レス) id: 4456c6b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2018年12月8日 9時
