大丈夫だよ [原石] 短編集 (ページ10)

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Ⅱ ページ10

北斗side

朝目が覚めるとなにか違和感を感じた。
なにがってわけでもないけどなんか変な感じがした。

北「じゅ、り？」

違和感を確かめたくて樹の名前を呼ぶ。
ベッドのそばまでいき
北「じゅり？朝だよ？」
と声をかけると
樹「ん、今行く。」
と返事が来た。

珍しい、樹が起きてるなんて。
一瞬驚いたが、樹の顔を見ていると顔を歪めている。
外は雨。
たぶん偏頭痛だろう。
しかし、樹は弱い部分に触れられると頑固になる。
だから、しばらく様子を見てサポートしようと思いながら下に行った。

リビングにはご飯が用意されていた。
お弁当もある。
今日は模試だ。
樹がどこの高校を受けるか聞いたことがあったが教えてくれなかった。
双子の兄弟なんだから教えてくれてもいいのに。
まぁ、ここ最近樹も勉強頑張ってるみたいだし、俺もがんばろ。

ご飯を食べて模試の会場へ向かおうとすると樹が全然ご飯を食べていなかった。

北「樹？もう行くよ？」

樹「うん、、、ごちそうさま、」

樹は朝ごはんをほとんど残したまま鞄を持ち立ち上がった。
そしてそのままフラフラと玄関に行ってしまった。

今日、あいつ薬飲んでなくない？

ふと頭によぎった。
朝の感じからしてキツイのだろう。
しかし、薬を飲んでない。
樹が忘れるはずないし。

一応、と思い頭痛薬を持って樹を追いかけた。