大丈夫だよ [原石] 短編集 (ページ45)

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Ⅳ ページ45

北斗side

北「んっ、、、」

目を覚ますとツーンとする匂いと点滴。
あぁ、病院なんだ。
そう理解するのに時間は掛からなかった。
いつもの場所。

優「北斗！？」

北「おとー、さん、？」

口についてるマスクのせいで話しづらい。
お父さんが先生を呼んでくれてマスクは外してもらった。

先生が出て行った後、お父さんはおれを抱きしめて初めて俺の前では泣いた。

優「お前が無事でよかった。」

学校から救急車で運ばれてICUに入れられて3日間意識不明だったらしい。
ごめんと涙を拭くとお父さんは俺をベッドに寝かせてリクライニングを上げてくれた。

北「お父さん、、」

沈黙が流れる。

優「なんで急に走ったりしたんだ。」

珍しくお父さんが怒ってる。

北「だって、、」

優「だってじゃないだろ？
もしかしたらあのまま死んでたかもしれないんだぞ？
としたら、父さんは、父さんは、」

お父さんをみて自分がしたことの重大さに気付いた。

北「ごめんなさい、、」

優「お前がなんの理由もなくこんなことをする子だと俺は思ってない。
何があったか俺に話してくれないか。」

北「、、、」ｸﾞｽｯ

優「ゆっくりでいいから、」

北「おれ、おれ、、
みんなと同じように走りたいｸﾞｽｯ、
みんなと同じ給食も食べたいｸﾞｽｯ
なのに、なのに、、、
俺だけいっつも違う。
みんな、と同じように、、はぁ、できないし、
みんなと、同じ、ように学校も、はぁいけない。

なんで、俺ばっかり、、はぁっ、
俺は、はぁはぁ、、ふつうに、過ごしたいだけ、なのにはぁはぁ」

優「北斗、ゆっくりでいいよ。
落ち着いて、」

北「おれ、もういやだ、、はぁ、」

優「そうだよな、普通に生活したいよな、
みんなと一緒に遊んだりしたいよな、」

お父さんは俺を抱きしめてくれた。
俺は声を上げて泣いた。

北「ｸﾞｽｯ、、」

優「落ち着いた？」

北「、、、」ｺｸｯ

優「眠れるなら今のうちに寝ときな。」

お父さんが背中とトントンしてくれて
ゆっくりとまぶたを閉じた。