大丈夫だよ [原石] 短編集 (ページ19)

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Ⅴ ページ19

大我side

エレベーターが止まった時は本当にどうしようかと思った。
始めは冷静に行動しようと思っていたが
電気が消え、一瞬であの日のことがフラッシュバックしてきた。

ここから出れない、
助けて、誰か
いやだ、
早く俺をここから出して

大「……っっ、、、ハァハァハァッ」

息がしづらくなり胸が痛い。

そのままズルズルとしゃがみ込む。

汗が吹き出てきて身体の震え、動悸が止まらない。

大「ハァハァハァっっ、、いやだ、、、いやだ、、ハァハァハァ、、出して、、ハァハァハァっっ」

落ち着かないと、落ち着かないと、
そう思えば思うほどパニックになっていく。

その時

ギュッ

大「っっ、、！？」

抱きしめられ

慎「、、が？、ぃ、、たい、？、たいが！？」

慎太郎？

慎「たいが、、おち、、いて、？、
だい、、ぶ、、1人、、ないよ
俺も、から。」

だんだんと慎太郎の声が聞こえてきて

慎「大我、落ち着いて。
大丈夫、1人じゃないよ？
俺もいるから。」

そう言ってくれた。

大「ハァハァハァっっ、、しん、た、ろ、」

過去から現実へと慎太郎がおれを引き戻してくれた。
安心感のあまり俺の目から涙がこぼれ落ちる。

大丈夫、大丈夫とずっと背中をさすってくれる。
だんだんと落ち着きを取り戻すことができた。

警備室からの連絡の時は
少しパニックになっちゃったけど

助けられるまでずっと慎太郎が隣にいてくれたおかげでなんとかエレベーターから出ることができた。
出る時も俺は体に力が入らなかった。

慎「大我？」
大「しんたろっ、ごめっ、、」

立ち上がろうとしても足に力が入らない。

慎「ほら、無理しないの。」

そういうと俺の前にしゃがんでくれる。

大「ごめん、、」

慎太郎に甘え背中にのる。

慎「こういうときは、ごめんじゃなくてありがとうがいいな、」
ニコッて効果音がつきそうなくらいの笑顔を見せる慎太郎。

大「ありがとう。」