きみのせい、【Mizuki.i】

#28 ページ28

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キョロキョロと約束の場所で周りを見渡すと、


可愛らしい秋服にベレー帽のれいあくん。


……え、今から私あんなに可愛い子とデートするの？大丈夫？


どうやって声をかけよう、とひとりでオロオロとしていると、顔を上げたれいあくんと目が合う。




「Aちゃん、」


『れ、れいあくん、お待たせしました』




にこりと笑って片手を上げて、こちらに駆け寄ってくる。


……うん、やっぱり可愛い、私今それしか言ってないな？




「全然待ってないよ」


『ほんと？』


「待ってたら冷えちゃったって言ったら手繋いでくれる？」


『そ、それは！』




れいあくん策士！少し走って熱くなった頬にピタリと手のひらを当てられる。


冷たい、……やっぱり結構待たせちゃったのかな？




「冗談、俺冷え性だからいつもこんなんなの、気にしないで」




じゃあ行こっか、となんて事のないように踵を返す。


実際のところ、待っていたのかははぐらかされてしまった。




『れいあくん場所分かる？』


「あー、うん、地図見たから大丈夫、だと思う」


『だと思う？』


「舐めないでね、俺方向音痴だから！」


『じゃあ私が地図見るよ！』




お願いします、と笑うれいあくんにスマホの画面を見せてもらうと、どうやら反対方向に進もうとしていたようだ。




『れいあくんあっちだね、』


「え？そうなの？」




あれ、意外とれいあくんっておばか？




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