きみのせい、【Mizuki.i】

#18 ページ18

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朝からずっと不機嫌な井上くんは、サボると言って帰ってしまった。


ぼっちだけどいっかあ、と食堂の隅っこの方に座ってると、




「隣いい？」




どこかで聞いたことのある声が左上から聞こえてきた。




『れいあくんだ』


「そう、れいあくんです」




お邪魔します、とお盆を机に置いて隣に座る。


ちらりとれいあくんのお昼ご飯を見てみると、ダイエット中のOLかな？みたいなメニューで。


ラーメンを啜る自分がちょっとだけ恥ずかしくなった。




「今日は鉄壁いないの？」


『てっぺき……、』




とは？と頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると、瑞稀のことだよ、と笑った。




『井上くん鉄壁なの？』


「那須さんに話し掛けようとすると、井上に睨まれるーって、例えばアイツとか、」


『誰？』


「俺が来る前Aちゃんの隣に狙ってたヤツ」


『混んでるもんね、早く空けた方がいいかな……』


「そういう事じゃないよ」




くすくすと笑って口元を覆うれいあくん。


何？変な事言った？




「Aちゃんてほんと、鈍感だね？」


『そんなことないと思うけど』


「こりゃ、瑞稀も相当苦労するわけだ」


『ねえ、なんの話し』




フワッと何かディスられているような気がするけど、決定的なことは言ってくれないからよく分からなくて。


鈍感、……というか、馬鹿だとかはよく言われるけど、井上くんに。




「ストレートに言えばいいんだよね？Aちゃん今度の休みデートしない？」




もちろん、瑞稀には内緒ね？とこてん、と首を傾げた。




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