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三限の教室に移動して、お昼ご飯を広げる。
てか私と井上くん毎回どの講義も最後列ってやる気なさすぎるよねー。
「卵焼きちょーだい」
『いいよ、はい、あーん』
「っ……、!」
珍しく井上くんがちょーだい、なんて言ってくるから差し出したのに、ピタリと固まってしまった。
え?食べないの?それとも潔癖性?さっきアップルティー飲んだよね?
『あ、自分で食べる?』
「……もらう」
再び井上くんの口に卵焼きを運ぼうとすると、ぎゅっと目をつぶって待っている。
……なんだろう、井上くん親鳥から餌を待ってる雛みたいで可愛い。
「うわ、教室でイチャついてる」
「っ、ごほ、!」
『井上くん大丈夫?!』
突然上から降ってきた声に吃驚したのか思いっきり噎せて。
生理的に涙が浮かんだのだろう、目を潤ませて声の主を睨みつけている。
「みずっくんごめんってば〜!」
「急に話しかけんな」
「ね、Aちゃんだよね?隣の席座ってもいい?」
いいけど、言おうとしたのだけれど、井上くんに阻まれて、
「窓際寒いからA変わって」
『ええ?寒いのを私に押し付けるの?』
「優斗、さっきはありがとう」
退けて、と井上くんが私の前を跨いで窓際の席に追いやられる。
そしてキラキラの笑顔で高橋くんに隣どーぞ、と井上くんの隣の席を指差した。
「まじでさぁ、みずっくん……」
「何か?」
「何でもない、けど」
二人にしかわからないやり取りはやめて欲しい。
てかさ、意外と井上くん友達いるよね、れいあくんとか高橋くんか、
……えっ、もしかして、私が井上くん(友達いない)と一緒にいてあげてるんじゃなくて、一緒にいてもらってる?
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檸檬(プロフ) - やっぱりアオさんが描く瑞稀くんが大好きです!! (2020年4月12日 13時) (レス) id: 7f7d842168 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜(プロフ) - とても面白いです(*^^*) 瑞稀くんメッチャかっこいい! (2019年11月9日 16時) (レス) id: 33e6fc8eff (このIDを非表示/違反報告)
Jin(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています〜。そろそろみずきくんの本領発揮させてください!更新楽しみにしています。 (2019年11月8日 15時) (レス) id: b6ce9f7cb2 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - すごい良いです!ユウピ担なんだけどみずっくんもれあくんもより好きなりました!頑張ってくださいね☆ (2019年11月6日 17時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
涼音(プロフ) - すいませんこれみてたら、嶺亜くん落ちが見たくなってしまいました…ごめんなさい (2019年10月30日 17時) (レス) id: 8c6c513fbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時:2019年10月23日 0時