■透明になれ ページ6
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「 だぁからー!大丈夫って言ってる! 」
『 どこをどう見たら大丈夫なの? 』
「 ほらタクシー乗るよ 」
あれからすっかり酔っ払ってしまった神木くんをタクシーに押し込む吉沢さん。
神木くんだけ家の方向が別なのでここでお別れだ。
『 ホント、運転手さんに迷惑かけないでね。気をつけて… 』
「 はぁい 」
『 大丈夫かな…… 』
「 ほら隆。またね 」
「 うん! 」
楽しそうに手を振ってそのままタクシーは行ってしまった。
とりあえず運転手さんに迷惑はかけないでくれたら良いけど。
「 じゃあ俺らも乗ろ 」
『 あ、うん 』
後ろに待機してくれていたタクシーに乗り込んで行き先を告げる。先に私の家に寄ってくれるらしい。
神木くんを見届けて吉沢さんと一緒に帰る。
この光景もすっかり馴染んだ
「 急に呼び出してごめん。神木が電話かけるって聞かなくて 」
『 別に良いよ。多分そうだろうなとは思ったし 』
「 何してた? 」
『 起きてケータイいじってた 』
「 そっかぁ 」
自分で聞いといてあんまり興味なさそうだな。
でも人見知りの吉沢さんが自分から話を振ってくれている事が奇跡に近いから、やっぱりお酒の力って凄いんだね〜。シラフだったら絶対無言だよ。
『 誘ってもらえて嬉しかったよ。楽しかったし 』
「 なら良いけど… 」
『 私も早くお酒飲める様になりたい 』
「 確かに1人だけシラフってキツいよな 」
『 うん… 』
何か私だけ仲間外れ感がするから、ちょっと寂しかった。いつも1人だけウーロン茶だし。
私だけ、除け者…………
ダメだ。
どうしても負の感情ばっかり溢れてしまう。
夜だから?おセンチなの?
違うのに。
凄く楽しくて、嬉しかったのに。
「 あのさ 」
『 …… 』
急に重く静かな空気が流れていく。
何が言いたいのか分かってしまって思わず口を噤む。
「 "何が"あったの? 」
確信を含んでいるせいで答えに戸惑った。
何て言葉を返そうか……
そうしてる内に家に着いてしまえばいいのに。
『 ………何もないよ 』
もう少し
もう少しで____
「 ……じゃあなんで、 」
「 着きましたよー 」
『 あっ…はい。有難うございました 』
そそくさとお金を渡してタクシーを降りようとすると腕を掴まれてしまった
「 後で電話する 」
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まりも(プロフ) - 旭さん» 旭さん。こんばんわまりもです。コメント有難うございます。ひっそりとですが訂正させて頂きました。いつも読んで下さって有難うございます。更新頑張ります! (2021年8月26日 22時) (レス) id: d967e47327 (このIDを非表示/違反報告)
旭 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読みました。 今読んだばかりなのにもう続きが気になります。 更新待ってますね。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
旭 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません。。。 更新ありがとうございます。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 素敵な木曜日のここの部分 そんな目で見られた買うでしょ。 らが抜けてませんか? 正しくはそんな目で見られたらではないんでしょうか? (2021年8月26日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 旭さん» 旭さん初めましてまりもです。タクシーの所は変換ミスだと思います。ご指摘頂いた通りです!「透明になれ」の意味ですが全部無かった事になれば良いという意味で付けています。わざわざコメント下さり有難うございます!更新頑張ります! (2021年8月17日 10時) (レス) id: d967e47327 (このIDを非表示/違反報告)
旭 - また続けてのコメントですみません。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2021年8月17日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2021年8月14日 20時