純白ブルース 【吉沢亮】

■セカイノウラガワ ページ3

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仕事に行こうと家で準備してた時に突然電話が鳴った。画面に写る"神木"の文字。

いつもと変わらない何気ない電話のつもりだった。




「 もしもし？ 」


「 もしもし亮！？！？ニュース見た！？ 」


「 は？何で？ 」


「 Aちゃんがっ…！ 」




切迫した雰囲気にただ事じゃない事だけは分かって急いでテレビをつけた。

よく見ている朝のニュースに写っているのは貼り付けた様なAの笑顔と、目を疑う文字の羅列。




＿___女優の桜木Aさんが無期限の活動休止を発表しました＿＿＿＿



………は？





「 ……お前何か聞いてた？ 」


「 いや…… 」


「 だよな…… 」





聞いてたとしたら、こんな風に慌ててる訳ない。

どうしてこんな事になっているのか……





「 とりあえずAに電話しろ。俺は事務所の人に聞いてみるから 」


「 わ、わかった…… 」


「 ったくアイツ……何してんの 」





近くにあったクッションを蹴っても、盛大な舌打ちをしても苛立ちが消える事はない。


Aにじゃなくて、自分に対してだ。





「 せめて一言ぐらい相談してくれたら… 」





隆の言葉に唇を噛む。

傷になるから止めろって前にAに言われたっけな





「 アイツはそういうの、隠したがるじゃん 」


「 うん…… 」


「 だからって、自分を正当化する理由にはならねーけどさ 」





変化に気づけなかったのは俺達だ


だからAばっかり責めるのは違うだろ






「 LINEはするなよ。とにかく電話かけ続けろ 」



「 えっ、うん 」



「 俺も掛けてみるから 」



「 うん、分かった…… 」






プツ、と電話は切れた

俺は暫くその場から動けないでいた



アナウンサーの淡々とした喋り声だけが部屋に響いて何故か苦しくなった。

　





＿＿＿＿原因は体調不良との事ですが、病名などは明かされていませんよね



＿___＿これから日本映画界を引っ張ってくれるであろう女優さんなだけに……非常に残念です



___＿＿早く元気になって欲しいですね




　


雑音が煩くてテレビの電源を落とす。



ひと事だからって好き勝手言いやがって…。

こっちは心配で心臓張り裂けそうだっつーのに






「 はぁ………… 」








大きなため息が静かになった部屋に響く。



まじで………何してんだよA、








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