純白ブルース 【吉沢亮】

■空虚な心 ページ13

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それから数日経った。

私は少し前に実家に帰ってきて、久しぶりにケータイを開いてみると通知の量にまずビックリして、ケータイ落としそうになった。





だーすー大丈夫か?


だーすーいつでも話し聞くで?


だーすー見たら連絡してや?


ふみちゃん心配だから連絡ちょうだい


架純ちゃん大丈夫?お姉ちゃんは心配です


神木くんAちゃーん!!!大丈夫なの!?!?心配だよーー(泣)


だーすーマジで返信してや??シャレならんで


おじさん Aちゃん大丈夫かい??みんな心配してるよ


ケンティー大丈夫!?!?




　
1つ1つ読み返していく。
いつの間にか視界が濁っていて袖口で拭う。



少し休んで冷静になれば、自分がしている事がどれだけ無鉄砲だったか気付かされた。

同世代の俳優たちは今日も作品を作っている。
私はただ寝て起きての繰り返しだ。
今は最低限の生活をするだけで精一杯。



こんなに虚しい気持ちは初めてだ。



少し前までは、私も皆んなみたいに輝けていたはずなのに。






「 姉ちゃん賄いいる！？ 」


『 っ……ビックリした 』


「 あ、ごめん。驚かせるつもりなかったんだけど 」




勢いよくドアを開ける音と一緒に弟の勇吾が入ってきた。
賄いか……もしかしてお父さんが作ってくれるのかな。食べたいな…

でもお腹すいてない…




『 いい……いらない 』


「 ……お腹空いてないの？ 」


『 うん…… 』


「 食べなきゃ元気出ないよ 」


『 うん……いい、いらない 』


「 でも少しだけでも 」


『 いらないってば！ 何回も言わせないで 』


「 ……わかった 」




思いのほか強く出た言葉に居た堪れなくてとっさに枕に顔を埋めた。
なに勇吾にまであたってるのよ……

情けないな……
また涙が出てくるなんて



静かになった部屋に通知音が響く。
画面に写る名前に少しだけ胸が動いた。





裕貴くん久しぶり。体調はどうですか?ニュースを見て驚いて連絡しました。


裕貴くん今度会って話しがしたいです。都合のいい日はあるかな?
　



1番最後に連絡取ったのは多分去年ぐらいだ。

ちょうど「水平線の赫(あか)」の舞台挨拶をやっていた時ぐらい。


裕貴くん居なかったら……考えただけでゾッとする








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