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夜の12時をとっくに過ぎた時計。
今は初めてのラジオ出演を終えて、ソヨンオンニと車で帰宅中。
来週には初めての広告撮影もある。
初めての事ばっかりで、なんか気持ちがうずうずしちゃうけど
11年前の私が見てた夢はきっとこんな夢だったのかなって思うんだ。
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『オンニ』
「ん?」
『帰ったらアルコール飲んでもいい?』
「ダメに決まってるでしょ。活動中なのに」
『ですよねーー』
「てか、学生卒業するまでダメって言ったじゃない」
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マネージャーのソヨンオンニはいつも辛口。
だけど本当に仕事が出来るし、
私のことをよく理解してくれている数少ない人。
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「活動終わったらご飯連れてってあげるから」
『やったーー!!肉!サムギョプサル!』
「あんたのいい所はリーズナブルなとこよね」
『だって牛肉あんまり好きじゃないもん』
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韓牛とサムギョプサルなら、絶対サムギョプサルを選ぶでしょ!アルコールは………うーん、我慢するよ
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「明日も朝早いから、帰ったらすぐ寝るのよ」
『うん。もう眠いから寝るよ』
「おやすみ」
『はいーー』
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瞼を閉じる前に、そっと外の景色を眺めてみる。
色んな質問されて何だか疲れてしまった。
SIXTEENの事も、曲作りの事も、色々。
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『(……ちょっと本音で話しすぎたかなぁ)』
「あ、言うの忘れてたけど来月から学校行くからね」
『えっ!嘘!』
「本当。そろそろ行かないと本当に卒業出来ないよ?」
『………だよねぇ』
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すっかり忘れてた、学校の事。
せっかく通わせてもらったから……
ちゃんと行かなきゃ。
なんて。贅沢な悩みだよ本当。
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『オンニーーー私、ちゃんと卒業するからね。高校』
「あら〜〜2年前の貴方に聞かせてあげたいわぁ」
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お母さんみたいなオンニに笑ってしまう。
留年したって、絶対卒業してやる。
そんな事を考えながら
もう一度外に目を向けると小さな星が出てた。
1番綺麗なその星を思い浮かべながら
ゆっくりと瞼を閉じた。
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作者名:Kaulu | 作成日時:2019年11月12日 10時