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ガチャ
「たつくん？ どうしたの？ 」
一生懸命に笑顔を作る。
目の赤く腫れた私の笑顔はたつくんの目に不気味に映ったのだろう。
大「A、大丈夫か？！ 」
勢い良くたつくんがドアを閉めて私を抱きしめる。
ダメだよ、
ダメだよ、そんなに優しく抱きしめたら。
大「A、話を聞きたい。何があったん。」
たつくんは、私の手を引いてリビングへと向かった。
と、そこでたつくんは机の上に並べていた写真に気がついた。
大「A……。これ。」
「なっ、なんでもない！！！ 」
慌てて茶封筒にしまおうとする。
大「A。」
「っ！！ 」
腕を掴まれて、その手を払いのける。
大「A、落ち着けって！ 」
「やめてっ！ 」
また更に大きくたつくんの腕を振り払った。
大「A……。」
顔をあげると、悲しそうな顔をしているたつくん。
心がギュッと締め付けられる。
大「……俺もやねん。」
「え？ 」
大「俺もいたずらされてる。」
「…え？ 」
耳を疑うようなことだった。
『いたずら』されている？
『いたずら』って？
一体誰が。
みなさん？
いや、そんなわけない。
大「俺も最近、ポストにこの写真入れられんねん。」
大「今日なんか、玄関のところに挟まれててん。」
大「一体誰がこんなこと……。」
たつくんはそう言って一枚写真を取って
破ろうとした。
「私。」
大「え？ 」
たつくんの手が止まる。
「私なの。」
大「何が？ 」
「写真。入れたの。」
大「は？ 」
「ごめん、」
大「いやいやちょい待てって、は？ どういう意味やねん。」
「私がしたの。」
大「何のために」
「……。」
大「何のためや言うてんねん！！！ 」
たつくんの怒った声にビクッとする。
これしか、きっと、方法が無かったの。
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作者名：スパムおにぎり | 作成日時：2018年8月12日 14時
