壊れた忍

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A「.......」


ふと、目を覚ました。


攫われて、そこの城の忍と話してからの記憶が無い。

そしてここは、医務室か。


ということは、学園に帰ってきたんだな。


A「....下半身が、重い」


上半身だけ起こし、足元に目を向けた。


タカ丸「ん、んぅ......」


A「タカ丸.....」


すやすやと俺の足元に丸くなって眠るタカ丸。


A「タカ丸」


ポンポンとタカ丸の肩を叩いた。


タカ丸「ん、ん〜.....A？」


A「ああ、おはよう」


タカ丸「.....Aっ！！！」


A「っ！！」


勢いよく起き上がり、俺に飛びついた。


驚いて、そのまま布団に倒れ込んだ。



一応俺、怪我はしてるのだが.....あまり痛くは無いが......


タカ丸「心配したんだよぉっ......」


A「.....」


まんまるの綺麗な瞳から、ボロボロと大粒の涙を流している。


あまりそういう感情は抱かないが、なんだろう......


涙で潤う瞳も透明で....




とても、綺麗だと思った。



A「ありがとう。タカ丸がくれた匂い袋のおかげで、無事に帰ってこれたんだ」


だから、そんなに泣かないでくれ。



そっと、タカ丸の目元に浮かぶ涙を指で拭った。


タカ丸「！えへへ.....」


A「ふっ.......」







ああやっぱり、タカ丸には笑っていて欲しい.....

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