壊れた忍

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A「っ、か、は.......」


忍者「なんでだ、なんでお前はッ！！」


A「耐えるのかって？.....それは、お前たちが、一番わかってるだろう......」


切りつけられ、蹴られ、殴られ、朦朧とした意識の中、どこか、スッキリしてる自分もいる。



ここの城は、悪い城だ。


けどそれは、俺がいた松川が作った悪い城。


この人たちは、悪い人じゃない。



じゃなかったら、俺を痛めつけながら、そんな悲しい顔はしない。


A「あんたたちの、気持ちは、わかる.....だ、から俺は、逃げた.....松川から、逃げた.....もう、生きるのも、嫌だったから.....」


忍者「っ！」


何も感じなくなるくらい、生きるのにも死ぬのにも執着が無くなった。


それが、どれだけ苦しくて、辛いことか......



人は、希望を失うと、生きる気力がなくなる。


A「あんた達は、まだ生きる気力を残してるだろう。生きたいのだろう、復讐なんてやめろ。自分が、虚しくなるだけだ」


忍者「っ、お前に何が分かる！！愛する家族も、仲間も失った、俺の気持ちが！！」


A「........分かろうとなんて、思わない。けど、もう松川に、近づくな。あんたが、俺のせいで死ぬのが、嫌だ......生きてくれ、松川なんて、忘れて、生きてくれ......」


忍者「黙れ、黙れ、黙れ黙れ黙れ！！！」








そいつは、俺に向けて、苦無を振りかざした。





俺を殺して、満足するならそれでいい。




俺にはもう、避ける気力も抵抗する気力もない。




ゆっくり、ゆっくりと瞼を下に下ろした。

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