壊れた忍

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A「ふむ......」


買い物は、茶菓子だな。


会議とかに使うのだろう。


しかし、市に行くのは生まれて初めてだな。

あいつの所にいた時は、娯楽なんてもの無かったからな。

どうなのだろう。


どういう所なのだろうか。


A「.......」


ふと、道中の空を見上げた。


とても澄んだ、綺麗な空だ。


忍術学園に来てから、心の余裕ができたのだろうか。

前は、周りの景色を見ている余裕なんてなかったし、夜の活動が多かったから、昼間の空って、なんだか新鮮だ。


特に昼間は、任務の反省と称して痛めつけられていたからな。


A「眩しいな......」


手をかざして、太陽を隠した。


学園の人達みたいに、眩しい.....


キラキラしてて、真っ黒でくすんでしまっていて、汚い俺には、眩しすぎる人たち。


こんな、真っ黒な俺に、あの人たちは光をくれた。





こんな俺でも、生きていいのだと......






俺は、すごく嬉しくて......




生きてみたいと、心から思えた。



A「.......」



ぎゅうっと胸の真ん中に手を置いた。





心が、ポカポカと暖かくて、じんわりと.....


水が染み込むように、俺の心を満たしてくれる。




俺には新しくて、不思議だけど......




あの人たちからしたら、きっとこれが、普通なんだ。




A「いい人に、巡り会えたのだな、俺は......」





ふっと笑みを零し、市へ向かって歩いた。











俺は気づかなかった、背後に迫る人の気配に......






そして、これから走る後頭部への衝撃に......

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