壊れた忍

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A「........」


きり丸「Aさん？.....！？」


A「何故だろう。涙が、止まらない」


拭っても拭っても、目から涙が溢れだしてくる。


なぜ止まらないんだ。


なぜ、なぜ......


A「きり丸、何故涙が止まらないんだ。何で、何故......」


きり丸「.....いっぱい泣いてください。今は、我慢しないでください」


A「.......」


暖かい。


とても、暖かい。


じんわりと、心の内側に熱が広がるような感覚。


A「ありがとう、きり丸」


きり丸「いえ、大丈夫ですよ」



止めたい。


けど、どんなに俺が止めようとしても、涙が止めどなく溢れる。



俺は、ずっと辛かったのだろうな。



苦しくて、辛くて.....



でも泣けない。



泣くと、あいつに殴られる。


痛くて、暗くて、辛いことをされる。



だから、母上が死んでも、俺は泣かなかった。



でも、あの死を見た瞬間。




ぷつん。


そんな音を立てて、何も感じなくなった。



蓋をするように、幼い時の記憶さえもなくなった。





だから、俺は人形のように生きた。



正直、いつ死んでもいい。


なんなら、死にたいとまで思った。





けど何故だろう。





今は、生きたい。




ここで、色んな人達と、生きてみたいと......





自然に、思えるようになったんだ。








こんな穢れた俺でも、生きて、いいのだろうか.......

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