壊れた忍

・ ページ26

・


A「そうだ、お前たちに聞きたいことがあったんだ」


平「？ん、なんだ？」


A「ここに入ってすぐ、尾浜勘右衛門にこういうものを貰ったんだ」


近くにあった紙に絵を描いて見せた。


タカ丸「お団子？」


田村「ですね」


A「初めて食べて、美味かった」


綾部「初めて？」


A「ああ」


ふんわり甘くて、俺は好きだった。

味とか、あんまり分からなかったが.....あのお団子とかいう奴は、甘くて好きだ。


ここに来て、少しづつだけど味覚が戻り始めてる。


今の俺が一番味を感じるのが、甘いとしょっぱいだ。

最低限、これだけ分かっていれば、大丈夫なのだろうか。


よく分からない。


田村「そうか、尾浜先輩に貰ったんだな。あとで礼を言うといい。喜ぶぞ」


A「何故？」


田村「ん？」


A「何故喜ぶのだ？」


タカ丸「尾浜くんはね、何気に一番Aのこと気にかけてるんだよ？」


A「俺は、一度しか話したことがない」


綾部「また尾浜先輩と話せば答えがわかるよ。行ってきな。まだお礼言ってないんでしょ？」


A「ああ、分かった。どこにいる？」


平「庵の近くにいる茶室はわかるか？」


A「ああ」


平「恐らくそこにいる。行ってきな」


A「ん、行ってくる」






立ち上がって、庵の近くの茶室へ向かった。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す