壊れた忍

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A「やることないな」


貰った甘いものを食べ終え、適当に学園内を歩いた。


誰にも会わない。


いや、会いたいとかはない。

どうせ警戒されてるし、攻撃されるかもしれないし.....


A「空が、綺麗だな......」


憎いくらいの青空。


前は、空を見る余裕もなかったな......


綺麗だからって、何を思う訳でもないが.......


土井「こんにちは」


A「.......いつからいた」


気配が全くしなかった。

いつから、俺の背後にいた。


ここの奴らはみんな、気配を消すのがうますぎる.....


土井「学園生活には慣れそう？」


A「分からない。あんた達の長から話は聞いているだろう。俺には心がない。楽しいも、苦しいも、分からない。全部、どうでもいい」


土井「世の中に、どうでもいいものなんてないんだよ」


A「.......」


土井「君はここに来てから、自分の意思で動いてないね。誰かに着いて行って、誰かに従って.....少しは自分の意思で動いたらどうだい？」


A「さっきも言っただろう。どうでもいい。どうでもいいから、決められない。俺は、そうやって生きてきた」


自分の意思を言うことが許されない。

あいつの言うことを聞いて、それに従って.....


俺は、そうやって生きてきた。



土井「タカ丸にも言われただろう？人は心が原動力だと」


A「ああ」


土井「この世に存在してはならない人なんていない。みんな生きていい、みんな、自由でいい。A」


A「！」


土井「これからは、自由だ。お前の、自由。心のままに、想いのままに」


A「！」



キラリと世界が輝いて見えた。



土井「明日から委員会に参加しなさい。保健委員会、医務室に行きなさい」


A「あ、ああ......」


土井「では、また明日」


A「.......」








心のままに......





想いの、ままに............

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