不運大魔王の幸運な弟 にぃ

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伊作「よいしょ」


A「う......」


僕の部屋に着き、僕を膝に乗せたまま床に座った兄さん。


伊作「さてと....まず昨日の事だね。子猫を助けたんでしょ？」


A「う、うん......」


伊作「それはとてもいい事だと思う。でもさ、何でも飛び降りたの」


A「え、と......」


飛び降りた方が、早いかなって思ったから......

僕は幸運だから、怪我することもない。


って言ったら、絶対怒られる......


伊作「まあ、Aの思うことなんて大体分かるけどね」


A「！」


伊作「そして今日。木の上で歌ってたのはいいよ。でもさ、なんで飛び降りたのかな。Aはさ、自分の幸運を信じすぎだよ」


A「.......」


伊作「ちゃんと僕の目を見て」


A「っ！」


むにっと頬を片手で掴まれ、無理矢理目を合わされた。


伊作「今回は、さすがに僕も怒るよ」


A「ごめ、なさい.....」


伊作「ダメ」


A「ぅ......」


どうしよう.....


どうすれば.......


伊作「ん」


A「にゃっ！」


カプリと肩を兄さんに噛まれた。


伊作「許して欲しい時は、なにするの？早くしないと、Aの身体、噛み跡だらけになっちゃうよ」


A「っ、やぁっ.....」



兄さんは、本当に怒ると僕に噛み付く。

力は強くないから、そんなに痛くないけど......


見えるところに跡がつくから、恥ずかしい.....



はやく、やらないと......


伊作「A」


A「っ......」





僕は、ぎゅっと目をつぶった。


そして、兄さんに許してもらうために動いた。

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