鉢屋家の次男 参

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A「隣においで」


守一郎「.......」


のそのそと動き、俺の隣に座った。


A「ずっと独りだったんだ。急にこんなことになって、戸惑うのもしょうがないよ」


浜の頭を俺の肩に寄せた。


守一郎「A」


A「ん？」


守一郎「ありがとう」


A「別に」


寂しいのも、不思議な感覚になるのも、俺はよくわかる。


幼い時から、ずっと独りだったから。


家族はいても、友人なんてできたことない。


やっとできた、初めての友人、三木ヱ門。


最初は戸惑ったさ。

俺に近づくやつは、だいたい兄様目当てか、俺をバカにするために来たやつのどっちかだからな。


A「南蛮鉤は、仲間を有する武器。ずっと、欲しかったんだろ？ずっと、作りたかったんだろ？笑い合える仲間が、泣きあえる友人が」


守一郎「っ、ひとり、で、さみし、かった.....でも、おれはっ、感情を殺して、がんばった......」


ぽたぽたと地面に雫が落ちた。


A「そうだな。お前は偉いよ、守一郎」


守一郎「！なまえ......A、ありがとう......」



元気だし、どちらかと言えば、俺の苦手なタイプだ。


だが、こういう奴は、悪くない。



こう見ると、ただ大人ぶってる小さな子供みたいだからな。


A「辛かったら、誰かに言いな。楽になるよ」


守一郎「ああっ！」



守一郎は、とても嬉しそうに笑っていた。

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