鉢屋家の次男 参

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A「ん、ごちそうさまでした」


お団子を食べ終え、ズズッとお茶を飲んだ。


A「ふぅ」


兵助「お会計してくるから、少し待ってて？」


A「あ、ありがとうございます」


兵助「いいえ」


ニコッと笑って、店主さんの方へ行ってしまった。


しかし、妙な町だったな。

あまり行きたくないところだ。


男「やあ、お嬢さん。お一人かい？」


A「.....連れが今会計をしています」


話しかける男の方を一切見ずに答えた。


男「少しくらいこちらを見たらどうだ？」


A「.......」


早く帰ってきてくれないかな。


兵助「っ！何してるんだっ！」


久々知先輩が、男の人の手首をつかみ、捻りあげた。


A「！久々知先輩」


男「ってぇ.....」


A「！はぁ、何してるんだ、兄様」


三郎「あれ、バレたか」


兵助「！三郎だったのか」


三郎「たまたまこの辺で実習があってな。可愛い弟が女装してるもんで、誰か相手がいるのかなと思って」


A「久々知先輩の実習の手伝いだよ」


兵助「あの件のことで、少しね」


三郎「そうなのか。A、怪我はないか？」


A「問題ない。むしろ、甘味まで奢ってもらって申し訳ない」


兵助「気にするな、実習を手伝ってもらったお礼だ」


そう言って、俺の髪の毛を撫でた。


A「.....ありがとうございます」


兵助「いいのいいの」


三郎「もう帰るところか？」


兵助「ああ」


三郎「なら私も一緒に帰るとしよう」




俺を間に挟み、学園へ向かって歩いた。

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