鉢屋家の次男 参

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城兵「女性はこっちだ」


A「あ、はい」


本当に身体検査をしているんだな。


大分、色々なことに警戒しているご様子。


A「あ、あの.......この懐刀は許してくれませんか？母の形見で....とても大切なものなのです」


城兵「ああ、構わないよ」


A「ありがとうございます」


懐刀は問題なし、か......


城兵「片目はなんだ？」


A「あっ......」


赤い目を隠してる前髪をどかされそうになり、俺はぎゅっと目をつぶった。


兵助「すみません、このこの片目は酷い怪我をしていて.....あまりほかの人に見せたがらないんです。許してくれませんか？」


身体検査を終えた久々知先輩が、俺の肩を抱き城兵を咎めた。


城兵「ああ、それは済まないことをしたね。女性もあなたも問題ないな。よし、中に入っていいぞ」


A「あ、ありがとうございます」


ぺこりと城兵に礼をして、町の中に入った。



A「やはり少し異様ですね」


兵助「ああ、変な感じだ」


どこか異様だ。

本当に、外部からの情報が入らないようになってる、ような......


A「ふむ......」


兵助「A、腕組んで」


A「へ？」


兵助「いいから」


A「あ、はい」


きゅっと先輩と腕を組んだ。


考え事して気づけなかった。


A「怪しまれていたんですね。すみません」


兵助「大丈夫。少し調べたら、町を出ようか。お団子奢ってあげる」


A「！ありがとうございます」



お団子、少し楽しみだ。


兵助「(ふふ、顔が少し緩んでる。三郎と同じで、甘いものが好きなんだ)」




楽しそうなAを見て、笑みをこぼした兵助であった。

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