鉢屋家の次男 参

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A「はぁ.......」


裏山の大木に登り、太い枝の部分にしゃがんだ。


ここからの景色はすごい綺麗で、荒れてた気持ちとかがすごく落ち着くんだ。


A「やりたくねぇな.......」


死体も見るだろうし、自分も殺す。


この任務でわかるのは、忍者がどれだけ辛く、苦しいものなのか....


俺が選んだ道だ。

後悔はしてない。


けど、怖いものは、怖いからな。


A「はぁ.......」


雑渡「随分落ち込んでるけど、何かあったのかい？」


A「っ！？！？！？っ、ぅあっ！？」


突然横から声をかけられ、驚いた拍子に木から落ちそうになった。


雑渡「！っと、大丈夫かい？ごめんね」


腕を引かれ、真っ逆さまに落ちることは防いだ。


A「雑渡、昆奈門.....あんたが、なんでここに......」


雑渡「たまたま通り掛かったところに、君がいたからかな。かなり落ち込んでたみたいだし、何があったのか気になって」


A「そう」


相変わらずの、女座り。


A「火傷痛いのか？」


雑渡「もうほとんど痛覚はないよ。ただ、胡座とかはかけないね。皮膚が引き攣って痛いから」


A「痛いつってんじゃん」


伊作先輩から聞いた。

雑渡昆奈門は、諸泉尊奈門の父親を助けて、大火傷を負ったと。


A「部下想いなのはいいが、そんなんでいちいち自分の身を傷つけてたら、早死するぜ」


雑渡「ははっ、肝に銘じておくよ」



伊作先輩が、悲しむ。


ということは、別に言わないでいいか。

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