ボッチくんの奮闘

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平太「A先輩......」


A「ん、なぁに？」


平太「今、学園生活は、楽しいですか.....？」


A「！」


下坂部くん、確信突く質問してくるなぁ.....


A「う、ん.....どう、だろう......」


前の生活と今の生活を比べると......


楽しいの、かな......


A「二年生の時とかと比べるとね.....少し、楽しいって思えるんだ」


ろ組「！」


ろ組の子たちが、目を見開いた。


A「少しずつ、少しずつだけどね.....楽しいんだ。教室に行くのが、楽しいって、思えるの.....」


こんな気持ち、初めてだった。


いつも、どこにいても、僕は独りだった。


楽しい、嬉しいなんて感情をあまり知らなかったんだ。


A「まだ人の目を見たり、話したりするのは苦手だし.....一人の時間の方が好きだ」


でも、でもっ......


A「たまには、みんなでワイワイ楽しむもの、ありなのかなぁって」


僕は、ふわりと顔をほころばせた。


鶴町「エキサイティング〜っ！」


平太「A先輩、少し変わりましたね」


怪士丸「僕、嬉しいです......」


孫次郎「よかったです」


また四人に頭を撫でられた。


A「ん、えへへ......」




これが、Aにとっての大きな成長になることを、Aはまだ知らない。

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