とある忍たまは隠れていたい ４

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A「......」


ザァァッと風が吹いて、木の葉が舞い上がった。


A「こんな世界と嘆く誰かの 生きる理由になれるでしょうか これは僕が 君に贈る 最初で最期の愛の言葉だ」


ハイテンポなのに、歌詞が悲しい。


昔、結構好きだったんだよな。


A「......街も人も歪み出した 化け物だと気付いたんだ 欲動に巣食った愚かさも 全てがこの目に映る」


題名、何だったけな.....



ああ、そうだ......


『誰かの心臓になれたなら』



A「シアトリカルに手の上で 誰も彼も踊らされる 生まれた意味だって知らぬまま 形骸化した夢は 錆び付いてしまった」


今日は暖かいから、風が気持ちいな.....


A「愛をください きっと誰もがそう願った 愛をください そっと震えた手を取って 愛をください 心を抉る 憎いくらいに美しい愛を」


さあ、サビだ.....


俺は、大きく息を吸った。


A「こんな世界と嘆く誰かの 生きる理由になれるでしょうか いつか終わると気づいた日から 死へと秒を読む 心臓だ ねえ このまま雨に溺れて 蘭に融けたって 構わないから....」


もう一度大きく息を吸った。


A「どうか どうか またあの日のように 傘を差し出して 笑って見せてよ.....」


深呼吸をして、数馬先輩と藤内先輩の方を向いた。


藤内「暖かいな.....」


数馬「心地いい歌.....」


二人は涙を流していた。


A「歌は、人を動かします。だから、僕は歌が大好きです」


そう言って、涙を流す二人を抱きしめた。



数馬「うん.....」


藤内「そうだね......」




兄ちゃんたちも、よく俺に歌ってくれたよ。



大好きな、歌を.....

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