とある忍たまは隠れていたい

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左近「はぁ.....やっと逃げられた.....」


A「疲れた.....ていうか、ここどこだよ」


完全に、ルートから外れた。


左近「生憎、狼煙がない。火を炊くぞ」


A「へ？」


左近「薪を集めろ」


A「や、やだ.....」


左近「なん.....！」


ガタガタと震える身体。

真っ青になる顔。


A「火、やだ、怖い、やだ、やだ.....」


その場でしゃがみ、頭をかかえた。


Aのその様子から、ただ事ではないと察した左近。


左近「どうした、おい！」


A「ひっ、ひっ.....ヒュッ.....やだ、やだっ.....」


左近「なんだよ、これ......あ！」


僕は思い出した。

人には、克服できないほど怖いものがある。

それを、恐怖症という。

高い所、暗い所、狭い所、鏡。

それが本当に苦手な人は、過呼吸や半狂乱を起こす。


そう、伊作先輩から教わった。


Aは、炎が怖いんだ。


左近「悪かった。大丈夫、大丈夫」


僕は、震えるAの身体を抱きしめ、背中を撫でた。


左近「火は焚かない。大丈夫、大丈夫」


A「っ、ほん、と？」


左近「約束する」


A「よかっ、た.....」


火が怖い、か.....


珍しいな。

恐怖症は、過去のトラウマからなる可能性が高い。

炎に対して、なにかトラウマがあるのか？


A「狼煙なら、ある。だ、から....それを」


左近「ああ。ありがとう」


Aから狼煙を受け取り、焚いた。



類先生、野村先生、早く来て.....

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