目立たない六年生 (ページ6)

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文次郎「準備、出来たか？」

A「うん。出来た」

文次郎「吹き矢か」

A「掠っただけで、体の力が抜けるよ。気をつけてね」

文次郎「おう.....力が、抜ける、か.....」

文次郎の頭にインプットされた。

A「君は、袋槍か.....」

文次郎「ああ」

アニメで見た通りだ。

穂澄「では、始めます。よーい.....」

穂澄「始めっ！」

A「ふっ！」

間合いを取って、吹き矢を吹いた。

文次郎「甘い！」

ひえ、避けたよ。凄いな.....

文次郎「はっ！」

A「っ！と.....」

袋槍が振り回された。

でも、全部避けた。

A「っ、は、ととっ.....」

くるくる、前宙したり、バク転したりしてね。

まじ、前世で、パルクール習っててよかったなって思った。

こんなことに役立つとは思わなかったけどね。

文次郎「余所見を、するなっ！！」

A「！っ、とととっ！！」

頭の上に袋槍が振り落とされそうになり、避けた。

A「危ない.....」

文次郎「お前、鞘を抜け！！」

A「は、分かったよ......」

腰、えと、後ろに刺さってた刀を抜いた。鞘は抜いてない。というか、抜けない。

A「ちょっと、本気だそ」

長次「！刀が抜けないように......」

伊作「鞘と鍔を紐で結んでる....」

A「はっ！！」

文次郎「！」

A「はっ！ふっ！！」

文次郎「くっ、っ！！」

文次郎が防ぐだけになってしまった。

俺、そんなに強くないんだけどなぁ......

文次郎「っの！！」

足元に袋槍を振りがぶされ、跳んで避けた。

そして.....

A「ダメだよ。危ない」

文次郎「くっ.....」

文次郎の袋槍を踏んだ。

A「終わりにしよ？」

足を高く上げて、袋槍と棒の境目の所に足を落とし、折った。

A「ふっ」

文次郎「っ！」

文次郎の頬を目掛けて、吹き矢を吹いた。

A「ふふっ」

パチンっと指を鳴らした。

A「身体、痺れてきた？じわじわと動かなくなってくる」

文次郎「は......」

文次郎がドサッと膝をついた。

A「手足が痺れて、動けない」

文次郎「っ、くそ......」

穂澄「.....あ。勝負あり。Aの勝ち」

A「はい」