目立たない六年生

・ ページ13

〜六は教室〜


泉「うぃ〜....ひっく、んぁれ？Aは〜？」


伊作「さぁ.....まだ来てないです」


食満「寝坊か？」


泉「伊作〜、留三郎〜、行ってこーいー.....」


伊作「分かりました。先生も早く、酔いをさましてくださいね」


泉「うぃ〜っす」


食満「行くか」


伊作「うん」


留三郎と二人で、Aの部屋に向かった。




〜Aの部屋前〜


伊作「あれ、土井先生」


土井「伊作、留三郎も。どうしたんだい？」


食満「Aが教室に来ないんで、泉先生に頼まれて、迎えに.....土井先生は？」


土井「乱太郎が、居ないらしくて、昨日の夜、厠に出かけたっきりらしい。だから、探しに来たのだ」


伊作「.....もしかして.....」


食満「伊作？」


伊作「A、開けるよ」


Aの部屋の戸を開けた。


三人「あ」



乱太郎「ん〜.....」


A「ん、すぅ......」


抱き合って、すやすやと眠る二人。


伊作「あらら.....」


食満「兄弟のようだな.....」


土井「いないと思ったら、ここに....」


伊作「A、起きて.....うわぁ、暖かい....」


Aの布団の中にズボッと手を入れると、すごく暖かかった。


食満「伊作、癒されるな。起こすぞ」


伊作「あ、うん。起きて、A」


A「んぅ〜.....」


土井「乱太郎、起きなさい」


乱太郎「ん〜.....」


伊作「A、A！」


A「んぅ....れん、たろ？」


食満、伊作「！！」


A「れん、たろう.....」


食満「留三郎だ」


伊作「伊作だよ」


A「ん....れんたろうは？」


寝惚けてる.....蓮太郎は、もう、いないのに.....


伊作「A、蓮太郎はいないよ」


A「どこ....」


伊作「A！！」


A「ぃだっ！」


パチッと両頬を両手で挟んだ。


伊作「起きて」


A「いさ、く......」


食満「起きたか？」


A「とめさぶろ.....」


伊作「おはよ」


A「ん、はよ.....」


食満「なんで、乱太郎と寝てたんだ？」


A「迷ってたから、送り届けんの面倒臭くて、ここで一緒に寝た」


伊作「そっか。ほら、授業行くよ？もう始まってる」


A「ファッ！？急がんと！！」


ドタバタと身支度を整え始めた。


土井「乱太郎、ほら行くぞ」


乱太郎「ん、はぁい.....Aせんぱぁい」


A「ん？」


乱太郎「また、一緒に寝ましょうね」


A「！おうっ！」

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す