"視える"編入生

・ ページ48

・立花先輩目線



立花「逃げられてしまったか.....」


まさか、男相手にこんなことをするとはな.....


Aが編入して来た時は、不思議なやつ。くらいにしか思ってなかった。


立花「完璧じゃなくて、いい....」


委員会見学に来た時、Aに言われた言葉。

その言葉が、私にとってとても大きなものだった。


いつも、完璧でいようとした。


疲れたんだ。完璧でいることに。だが、まあ、たまには、完璧をやめようと思った。


立花「Aをただの後輩として、見たくない」


私に初めて会った時、この世の終わりのような顔をしていた。

だが、今はどうだ？私に笑顔を向けてくれる。私に、笑いかけてくれる。


私だけに、あの顔を見せてくれた。


立花「あの顔は、私だけが知っていればいい....」


真っ赤な顔。潤んだ瞳。

あそこまで、理性を刺激されたのは初めてだ。


立花「今度は、逃げられないように.....」


私が、お前の初めてを全て、奪えるように.....


立花「誰にも、渡さない.....渡したくない....」


恋心なんて、可愛いものじゃない。


もっと、黒く、ドロっとしたもの.....



立花「これから、覚悟していてくれよ。A.....」

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