忍ばないお姫様 (ページ21)

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守りたいページ21

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side / Waku.Motoki

『おまたせー！』

「遅っ」

『こういう時は待ってないよ、でしょ！湧モテないよ！』

「5分遅れが偉そうなこと言うな。それに、高校時代モテてたし？」

『うわっ、女の子は時間かかるんですー』

そんなやり取りをしつつも、久しぶりにAと出かけるから楽しみで、30分前には着いてたなんて絶対言えねぇ笑

「てか、オフの日くらい休めば？」

そう、Aにとっては本当に久しぶりのオフなのだ

ずっとレッスン、サマステ、ドラマ、雑誌の撮影、時間があれば大学のレポートをやってるってぐらい、今Aは忙しい

『オフの日だから遊びたかったんじゃん！』

「倒れても知らねえぞ？」

『大丈夫ー！だって倒れる前に湧が気付くでしょ？』

「お前なぁ、笑」

『それにさ、家に居ると色々考えちゃうんだもん.....』

「ん？なんて？」

聞き取れないくらい小さな声だった

『んーん、なんでもない』

急に普段のAと様子が違ったから、このままこの話を流しちゃ行けない気がして

「なに？」

『だからなんでもなーい！』

「A、」

ちょっと強めに言うと、諦めたように笑って

『.....今、ドラマ出させてもらってるじゃん？私を知ってくれてて応援してくれてる人もいっぱい居るけどさ、圧倒的に知らない人が多いわけね。やっぱり、ジャニーズに私が居るのをよく思わない人も多くてさ、笑』

半ば自虐のように明るく話したA

.....なにも言葉が出なかった

俺はAがずっと認めて貰えるように努力してたのを見てきたから

そして、その努力が少しずつ実を結んでファンの人だって沢山出来た

だけど、それは所詮Jr.の中の世界であって、これから先デビューしたらきっと、今まで以上にAは批判を受けることになる

『そんな顔しないでよ、。だから、言いたくなかったのに、笑』

「A、」

『ん？』

「そりゃ、よく思わない人もいるだろうけどさ、俺らはAが居ない方が嫌だから」

『.....ありがと、』

「ん、」

ちょっと怖かった、

Aがこのまま消えてしまいそうだったから

「よし、今日は俺の奢り！」

『え？！ほんと？！』

「ほんとー」

『やったぁ！！湧大好きー！！！』

「.....っ、」

大好きとか軽々しく言うんじゃねえよ

でも、この笑顔をずっと守りたいって思った