相当重症 ページ35
*
「そうだ。来週、日本にイベントで行くんだ。
もし欲しいものあったらお土産買ってくるよ」
「いいよ、そんなの」
「遠慮しなくていいんだよ？言ってごらん？」
「えー、うーん…」
Aは人差し指を唇に当てて考え中。
その仕草さえも可愛くて、僕はうっかり見惚れて信号無視をしそうになった。
危ない危ない(汗)
いかんいかん。運転中はよそ見禁止だ。
「あ、そうだ！」
「ん？なんだい？」
だからダメだって(泣)
「あのね。昔ね。子供の頃に、お土産で貰ったお菓子なんだけど…
でも、そんなのお願いするのも…」
「いいから、言って？」
「えっとね…鳩の形のクッキーみたいなお菓子…」
「鳩の形のクッキー……ああ、もしかして鳩サブレー？」
「ああ、そうそう！それ！！甘過ぎなくてサクサクで凄ーく美味しかったの！
それにあの鳩の形が凄く可愛くて、食べたいのに食べるのが勿体無くて…」
「わかった。買ってくるよ。なんなら店ごとでも」
「もう！オッパったら(笑)冗談じゃなくて無理だったらいいからね？」
「うん、わかってるよ」
「ありがとうオッパ」
いや、Aのための無理なんていくらだってしたいんだ。
というか、無理だなんて思わない。
ああ、ほんとに僕はどうかしてるかもしれないな。
Aのために、どんなことでもしてあげたいし、Aの笑顔をずっと見ていたい。
そんな風に話しながら、あっという間に着いた場所。
駐車場に車を滑り込ませてエンジンを切る。
「さあ、着いたよ」
「ここ…？」
「ああ」
細い路地を入って、およそデートにはふさわしくないような
薄汚い小さな雑居ビルの前で怪訝な顔をしたAが不安げに僕を見る。
「さあ、行こう」
手を引いて、エレベーターもないビルの中に入って行く。
「あ、ちょっとオッパ？」
階段を上がり、小さなドアの前で立ち止まる。
中から聞こえる軽快なリズムと掛け声。
「ダンス、スタジオ…？」
「ああ」
「もしかして、あたしにダンスでも習えって？(笑)」
「いや、そうじゃないよ。ちょっとこっちにきて」
彼女の手を引いて、ドアの横の大きな窓から中を覗く。
そこには、子供達と一緒に踊る一人の女性の姿があった。
「え…？ソナ…？なんで…？」
「ここで、子供達にダンスを教えてるんだって」
口に手を当てて、驚いたAの瞳が見る間に潤んで。
それすら美しいと見惚れる僕は、相当重症なんだな。
*
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さくらこ(プロフ) - みみももさん» みみももさん、コメントありがとうございます！私の駄作を、大好きだなんて言ってくれてありがとうございます！これからもよろしくお願いしますね！ (2013年10月23日 17時) (
レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - emiさん» emiちゃんコメントありがとね〜最初はemiちゃんに喜んで貰えたらいいなって思って書き始めたけど、結構楽しく書けたよ！こちらこそ、挑戦せてくれてありがとう〜(^_^) (2013年10月23日 17時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - angieukoさん» あんこ、ありがとう〜♪ぎゅもね、ヒット記念←でなにか、そのうち何か書きた言って思ってるから、その時はあんこのために書くよ！！ (2013年10月23日 17時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
みみもも(プロフ) - シウォン素敵です♪また楽しみに読ませてもらいます！さくらこサンの作品大好きです(*^^*) (2013年10月22日 16時) (レス) id: e7ccebaf65 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - ミクさん本当にありがとう（ ; ; ）嬉しくて淋しくて上手く言葉にならないよ。 (2013年10月22日 12時) (レス) id: 677631d120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi＊ku
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年10月2日 22時
