白き愚者は蒼穹に嗤う

愚者が二十三人 ページ25

賑やかな人達がいなくなった部屋はとても静かだった。

「げほっ…げほっごほっ」

静かな部屋に俺の咳が響く

「げほっ、ﾊｯ、ﾋｭ…げほっごほっ」

発作だ。

「ﾋｭ-、ﾊｧｯ…げほっげほっ」

ｶﾞﾀｯ

『吸入…』

俺はポケットに入っている袋から吸入器を取り出した。

グリップを回し、薬を吸う



すぐに薬が効いてきた。

ﾎｰ
ﾊﾞｻﾊﾞｻ

伝達用の梟が間窓の隙間から入ってくる。

［コード:白ウサギ、先日届けたリストの中から、次の補充する商品を選んでください。］

「………」

俺は頭の中に入れたリストの中から1人選ぶ。

ﾊﾞｻﾊﾞｻ

梟は前回と同様役目を果たすと速やかに去っていった。

ﾄﾞｻｯ

俺はベットに寝転んだ。

『ハァ、なんでいつまで経っても治んねーんだろ…この体質』

『こんな体だし、きっと脱獄にもあまり協力できない…』


「ダセーな、俺」

『どうせ、俺は死ぬまで鬼の実験動物だ』

1ヶ月程前にエマが「なんかあったら相談してね」と言ってくれた。

『こんなこと相談できる訳ねーな…』

「俺、家族犠牲にして生き残って…ほんと、生きる資格のないクソヤローだな…なんの為に生きてんだろ」

Aの静かな叫びは誰にも聞かれずに消えていった








すごい弱気なAくんになってしまいました、ごめんなさい(＞_＜)

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