白き愚者は蒼穹に嗤う

愚者が二十人 ページ22

「俺達置いてかれちゃったね〜エマ」

エ「うん…ねぇA、Aも皆を連れて行くのは無理だと思う？」

エマが俺に聞いてきた

「んー、正直言ってね…無理、無謀、できっこない、と思う」

「Aまで〜」と言ってエマは落ち込んでしまった

「でも、エマらしい。凄いよ、エマは！俺だったらあんなに言われちゃ素直に引き下がっちゃう…」


Aはエマと目を合わせて言った

「まぁ、なんとかなるさ！」

エ「そ…そうだよね！」

ｶﾞﾁｬ

レ「ハァーーーー…」

ノ「ただいま！エマ、A」

レイはため息をつきながら、ノーマンは気のせいか少しツルッとした感じで戻ってきた

ノーマンはエマに近寄り俺にも手招きをし、小声で言った

ノ「放っておけるか！だって、まったく…レイも素直じゃないよね？」

レ「おい、そこ！聞こえてるぞ。」

そう言って近づいてくるレイの手には1冊の本があった

「機械工学と人類の歩み？」

レ「じゃなくて中、出版年」

その本は2015年が出版年らしい。
今は2045年だからこの本が出版されたのは30年前ということになる

レ「ハウスにある本でそれが一番新しい。素直に考えりゃ少なくとも2015年までは本が出版できる世界だったってことだ、さっきはああ言ったがほんの30年。外に人間社会がある可能性も0じゃない…だが勝算のねぇ博打じゃダメだ。外を知り、敵を知り、策を打ち生き延びる…
やるからには勝つぞ！」

エ「うん！」」

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