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何時間、殴られたのかは分からない。
痛みさえも分からないほどだ。
でも全身から血が流れているのは分かるし、何本か骨も折れているだろう。
意識が朦朧としている時、バイクの音が聞こえてきた。
ドラケンのゼファーの音。
いつの間にか解けている縄。
呑気に笑っている天竺の男ども。
私は小さく息を履いた。
痛いし、下手をすれば死ぬかもしれない。
でも、
今動かないでどうする。
副総長だ、私は。
目の前に落ちていた血だらけの鉄パイプを手に持つ。
痛い、でもやるしかない。
私は思い切り立ち上がり、男たちを殴った。
ただ、一心不乱に。
五人もいない相手。
それに私より弱い。
「はぁ、はぁ.......」
男達が伸びたのを確認して、鉄パイプを杖代わりにしてフラフラと倉庫から出た。
マイキー「ハンデいる?」
マイキーの声が聞こえてくる。
やっぱりここは抗争の場所だったんだ。
血がポタポタと垂れる。
「っ、マイキー!!!!」
高い私の声が響く。
稀咲「っ?!生きて、」
マイキー「A.......?」
痛みと複雑な心境でボロボロと涙が流れる。
鉄パイプを落としてフラフラと歩いていく。
天竺のやつらを押しのけて。
マイキー「今までどこに、」
稀咲「っ、おい!なんでこいつを殺さなかった!!!」
男「っすんません!」
千冬「まさか、ここに居たなんて、」
「散歩に行ったら急に後ろから殴られて、
攫われて、さっきまで殴られて、」
ままならない言葉。
マイキーはただ私を抱きしめてくれて。
マイキー「無事で、よかった......
ヒナちゃん、悪いけどAのこと頼んでいい?」
ヒナ「はい!」
なんでヒナがここに?
「ダメ、血で汚れちゃう。」
マイキーから離れるがふらついて倒れそうになる。
それをドラケンが支えてくれて。
「ご、ごめん」
ドラケン「お前、早く病院行かねぇと死ぬぞ」
「大丈夫、」
大丈夫なんかじゃないけど、
足は折れてない。
ただ、痛いだけ。
力を入れて、一人で立つ。
「もう、大丈夫だから」
こんなところで死んでたまるか。
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美海(プロフ) - れなさん» ありがとうございます!完結は必ずしますのでよろしくお願いします! (2023年2月22日 7時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)
美海(プロフ) - なゆゆんさん» そう言ってもらえて嬉しいです🥹更新ゆっくりですが楽しみにしててください! (2023年2月22日 7時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく、すごくすごく大好きです。色々と考えさせられる本当に素敵な作品だなと思いました。それに文才が天才すぎます、、時間ある時にまた更新していただけると嬉しいです。完結までついていかせてください。 (2023年2月10日 12時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
なゆゆん - クロスオーバーってだけでも難しいのにどれもめちゃくちゃ面白いです!どんぐりつけ麺ってドラケンが言ったのめっちゃシュールすぎて笑えました!! 更新すっごい楽しみーーー!! (2023年1月29日 17時) (レス) @page34 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
美海(プロフ) - ふゆなさん» ありがとうございます! (2022年12月8日 20時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美海 | 作成日時:2022年11月29日 22時