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欠伸をしながらベッドに腰を掛ける。
｢零、仕事は終わったの？｣
降谷｢あぁ、昼からポアロだ｣
｢ポアロかぁ｣
スマホを手に取り日にちを見るともう月末だ。
｢買い物にでも行こうかな｣
降谷｢服を買いに行くのか？｣
｢服も欲しいけど零もこの家に居るようになったから色々雑貨買おうかなって。
お箸は良いとしてコップとかさ。｣
降谷｢そんな事気にしなくていいのに。
俺が好きで来ているだけだぞ？｣
｢だったら私は好きで買うだけよ。
服何着ていこうかなぁ｣
棚を開けて物色していると零が後ろから抱きしめてくる。
｢どうしたの？｣
降谷｢いや？｣
私は少しだけ笑いそのまま服を選ぶ。
零は棚に置いてある写真に気がついたようで。
抱きしめたまま腕を伸ばして写真を手に取った。
降谷｢懐かしいな｣
｢卒業式の時のだもの。
もう十年以上前のだからね｣
降谷｢この頃はまだ.....｣
零は口を閉じた。
私は少しだけ零に体を預ける。
｢二人は居ないけど私は今も好きだよ。
この頃に戻れたらって何度も思ってたけどね。｣
降谷｢何も知らなかったからな、この頃は。
この世の中の事も、何もかも。｣
｢そりゃあ高校生だからね｣
社会に出て初めて知るものが多い。
先生になってから気づいたことも多い。
｢ずっとこの時間が続けばいいのに。｣
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作者名：美海
| 作成日時：2019年9月16日 21時
