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零からのメールは直ぐに返ってきて。
それは焦りと、戸惑いが見える文だった。
だがそこには冷静さもある。
窓から外を見て、ポルシェがあるか確認しろ。
そう書かれていたため、カーテンの隙間から外を見る。
道路に面しているがそこには止まっていなかった。
止まっていない。
とだけ送り私は先程まで行っていた皿拭きをまた始める。
さっきの人達の方は零が何とかするだろう。
欠伸をしながら玄関に行く。
玄関に出しっぱなしの靴を下駄箱に入れてリビングに戻ろうとすると、見覚えのない黒い箱が目に入った。
小さくて、目立たないもの。
多分盗聴器。
コンセントの所によく着いていると聞いていたがまさにその通りで。
あの女性が付けたものだろう。
下手に取るのもバレる為、気にせずにその場を通り過ぎた。
零が疑われているのか、それとも私の存在の方か。
どちらにせよ、私は何も出来ない。
体術は出来ても銃を相手には手出しも出来ない。
ましてや私は零みたく、警察官でもなければFBIでも無いただの一般人だ。
「こんなはず、ないのになぁ」
事件に巻き込まれないように、と静かに暮らしていたのに今では事件の真ん中に立っているようなもの。
どちらにせよ、それは避けられない運命なのだろう。
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shibuyu(プロフ) - まさかそう来るとは…風見さぁん!許してやってくれ! (2019年7月21日 16時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 28話に誤字がありました。「専業主婦に鳴っても」ではなく、「専業主婦になっても」です。 (2019年7月15日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 結婚…すごいです!でも、どうせ結婚するなら式あげてほしいなぁー (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 26話に誤字がありました。「し事」ではなく、「仕事」です。 (2019年7月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
美海(プロフ) - 明里香さん» 教えていただきありがとうございます! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美海 | 作成日時:2019年7月3日 21時