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眼鏡さんは口を閉じた。
上司を思って、私を心配して。
心優しい人なのだろう。
「どれだけ危険な事か、まだ私にはよく分かりません。
あの人は守ってくれると言いましたから。」
ニッコリと笑いかけて私は腰掛けていたベンチから立ち上がる。
「では、迎えが来たので」
傘をさして道路に止まっているRX-7に近寄る。
何故ここに居るかは分からないが、私のスマホがずっとバイブしていたため近くにいることは分かった。
眼鏡さんの方を見て頭を下げてから車に乗り込む。
降谷「風見に言われていたようだな」
「あの人風見さんって言うんだ。
別に私と零の心配をしてくれていただけだよ。」
零は車を出し、私の家へと向かった。
降谷「それで、ご両親はなんて?」
「まぁ降谷くんならって。
お父さんも一応国家公務員だから、零の仕事の事は耳にしたことがあるって。
お母さんも能天気だから零を連れてくるのは早くねってさ。」
そう言いながら笑うと、零は少し照れたように頷いて。
降谷「それは良かった。
取り敢えず、組織の奴らが日本に戻ってくるのは一週間後。
それまでに籍を入れて、Aには仕事をどうするか決めてもらうことになる。」
一週間後か。
同期の話によれば辞めていく人も多いらしい。
上層部の横領だが、一度にこれだけ世間に悪いニュースが出回ってしまってはイメージが悪い。
会社名も言い難いからだろう。
「.....仕事、ねぇ」
雨が降る外を私は車の中から眺めた。
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shibuyu(プロフ) - まさかそう来るとは…風見さぁん!許してやってくれ! (2019年7月21日 16時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 28話に誤字がありました。「専業主婦に鳴っても」ではなく、「専業主婦になっても」です。 (2019年7月15日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
shibuyu(プロフ) - 結婚…すごいです!でも、どうせ結婚するなら式あげてほしいなぁー (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 26話に誤字がありました。「し事」ではなく、「仕事」です。 (2019年7月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
美海(プロフ) - 明里香さん» 教えていただきありがとうございます! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美海 | 作成日時:2019年7月3日 21時