孤独な子狐は鴉の群れに second stage (ページ19)

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48話ページ19

『いや、ちょっと待て。俺賢二郎の部屋で寝るから…』
天童「ならさ俺もA君と一緒にいたいなぁ～」
『天童さんは楽しんでますよね？』
五色に続いて悪ノリしてくる先輩達
ぎゃーぎゃー俺の寝場所争いで煩くなって
いい加減イライラしてきて

『自分等。ええ加減にせえよ？』
「「ﾋﾞｸｯ」」
『賢二郎の部屋で寝る言うとるやろ。ええ加減喧しいんやけど、黙れへんの？』
「「す、すいません」」
『…わかればいいです。俺もため口ですいません』
そう言い終わればまたさっきとはまた違う話で盛り上がっていた
くたくたになっていた俺は賢二郎に寄りかかると目を閉じた
白布「…重い」
『重くない重くない』
賢二郎はめんどくさそうに俺を見ながらはぁ、とため息をついていた

夜遅くになって俺は賢二郎と賢二郎の部屋に向かっていた
廊下はしんとしていて他の生徒が寝ているのがわかった

白布「久しぶりの白鳥沢はどうだった」
『まぁ、懐かしいってしか感じなかったな』
あの空気、あの感覚…
全部中学の頃の俺だった

俺が考え込んでいると
白布「監督さ、」
と賢二郎は監督の話をして来た
白布「Aのこと諦めてないんだよ」
『なんで俺？』
白布「ほら、Aは親の転勤だろ。」
『…まぁ、それなら環さんだって、』
大丈夫じゃないか俺はそう言おうとしたが口を閉じた
環さんは二軍によるいじめ、嫌がらせで転校してしまった
今は精神的ストレスで声がでなくなってしまったらしい
白布「環さんは…あそこまで追い詰めたからって、引き抜きしようともしないんだよ」
『監督よく考えてるよな』
俺もよく支えてもらってたわと笑うと賢二郎はそうかと興味無さそうに答えた

賢二郎の部屋に着き、部屋に入れば
『うをっ、』
白布「……」
先に入った賢二郎に思い切り引っ張られた
『賢二郎？』
白布「…、」
そう呼べば今度は強く抱き締めてきた
何時もの賢二郎とは少し違う
なんか苦しそうだった
『どうしたんだよ急に、』
白布「……」
そう聞いても黙ったまま
『…甘え期かなんか？』
白布「……」
『賢二郎くーん？なんかあったの？』
白布「……」
『けーんじろ、どうしたんだよ』
白布「疲れた、」
『いや疲れたら俺なのかよ』
白布「今はお前しかいないだろ」
『まぁそうだけど』
だから仕方なくだと言い賢二郎は俺の肩に頭を擦り付けた
そのまま動かなくなった賢二郎は俺は

『環さんのこと、気にしてんの？』

＿＿
環君はオリジナルキャラクターです！