孤独な子狐は鴉の群れに second stage (ページ14)

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43話ページ14

『…は？なんで俺がまた稲荷崎に、？』
武田「実は…」

『…なつかし、』
俺は先生に話を聞いて今稲荷崎にいる
なんか書類がどうだらこうだらと

稲荷崎のバレー部の誰かが俺に会いたがっているかららしかった

本当ならもう来る気はなかったし、治への返事をして稲荷崎とはもう離れるつもりだった

そうするしか膤を忘れられないから

…で、俺に会いたい奴って誰だろ
治とか、かな？

「おぉ、来たか」
『!?…ビックリした…』
急に後ろから話しかけられ驚いている俺を監督が楽しそうに見ていた
監督「そないに驚かんくてもええやろ」
『いや普通にびびりますから』
そう言うとまた監督は楽しそうにケラケラ笑った
俺に会いたがっていたのは監督らしかった

それから生徒指導室で監督と話をしていた
部活をやめたこと
他の高校に行ったこと
守れなくて悪かったと謝られてしまった

監督「自分のことをちゃんと守れんかったなぁ」
まさか二軍まであないなことするとはなぁ
と監督も驚いていた
『あれは俺の力不足もありますし、仕方ないと思ってます』
それに覚悟が足りなかった
膤のことも、みんなのことも

監督「なぁ、もう一度稲荷崎に来んか？」
『…俺は、戻る気ははないです』
そうやよな…と監督は俯いてしまった
仕方ない

そんな軽い気持ちでここを離れた訳じゃない
本当はずっとここにいたかったし、ここでバレーをしたかった
でも精神的に無理だった
なによりも

膤と侑を見るのが辛かった

それから監督と話し込み
監督「最後また話せてよかったわ」
『俺もです』
がんばれなぁと監督と校舎前で解散し校門に向かってる途中で
「A!!」
『うをっ!?』
と後ろから思い切り突進された

突進してきたのは察しの通り治だった
治「稲荷崎に帰ってきたんか！」
『なわけあるかアホ、監督に呼ばれてきたんだよ』
なんやつまんないなぁと治は俺から離れた
治「でも、会えて嬉しいわ」
『…おう』
少しの沈黙が走り気まずくなっていたら
なぁなぁと治が話しかけてきた
治「今日は家に帰るん？」
『おう、こっちの家に…明日休みだからな』
治「なら俺んちこうへん？」
『あ、それは…』
侑に会うのは…
治「大丈夫や。ツムなら今日膤の家泊まるから俺ひとりで暇やねん」
『そう、なのか』
治「おん」
侑…膤ん家泊まるんだ…
治「駄目か？」
と上目遣いで聞かれる

いやずるいだろ
『じゃあ…お邪魔しよっかな、？』
そう言うと治よしとガッツポーズをした