千の夜をこえて vol.2 (ページ7)

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ゾ「19999ッ…20000ッ………ふぅ…」

『素振りお終い？』

ゾ「あぁ」

ゴトンッと重りを置いて息をついたゾロに声を掛ける。

次は腕立てをするみたいだ。

私は前々から気になっていた事を確認すべく、先程までゾロが振っていた重りに触れてみた。

『…えっ？！何これ！！』

ゾ「何してんだ？」

触れた重りはまるで岩の様でビックリした。

そんな私を腕立ての体勢をとっていたゾロが不思議そうに見ている。

『えっと…いつもゾロが簡単そうに持ってるから、どんなもんだろうと思って』

ゾ「Aには無理だろ(笑」

『いや、もしかしたら動くかもっ……ん～～っ！』

私は全力で重りを引っ張る。

しかし無常にもそれは、ビクともしない。

ゾ「ククッ」

『せーのっ…ん～～～～っ！！』

ゾ「やめとけ、怪我すんぞ(笑」

『ん～～っ…きゃっ？！』

握っていた棒から手が滑り、勢い良く尻もちをついた。

『イタタタタ…』

ゾ「大丈夫か？(笑」

『痛い』

ゾ「くくくっ…ほら」

ゾロは笑いながら尻もちをついた状態の私の所まで来て手を貸してくれる。

その手をとって立ち上がった私は、痛むお尻を摩った。

『こんな重たいの持ち上げるとか、ゾロの筋肉どうなってんの？』

ゾ「Aとは鍛え方が違ぇんだよ(笑」

ゾロは尚も笑っていて、私の頭をポンポンとあやす様に撫でた。

『トレーニングの邪魔してごめんね？』

ゾ「別に構わねぇ。今日は軽くやるだけのつもりだったからな」

『そうなの？じゃあ、もっと邪魔していい？(笑』

ゾ「何だそれ(笑」

私が両手を広げて抱っこをねだるポーズをとると、ゾロは可笑しそうに笑いながらも抱き上げてくれる。

彼の首に両腕を回して掴まった私は彼に指示した。

『はい、じゃあーこのままスクワット1000回！』

ゾ「Aじゃ軽すぎて何のトレーニングにもなんねぇよ(笑」

『つべこべ言わなーい(笑』

ただのお遊びトレーニングのはじまりはじまり←

『…999……1000！』

ゾ「次は？」

『次はねぇ～…天井ジャンプ100回！』

ゾ「このままか？」

『そう！抱っこしたまま♪』

スクワットを終えると口角を上げて次を催促するゾロに、新たなトレーニングを指示する。

私達は終始笑いながら、楽しいトレーニングごっこに明け暮れるのだった。

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