ｰ94ｰ ページ45
.
『サンジくん…』
サ「ん？」
『あのね…ちょっとだけ、話聞いてもらっても…いい？』
サ「あぁ、いくらでも」
サンジくんが持ってきてくれたスープはとても優しい味で、ゆっくりではあったが全て飲み切ることが出来た。
その間サンジくんは私を急かすこともせず、静かに隣に座ってくれていた。
そんな彼に、私は少しだけ…ほんの少しだけ甘えさせてもらう事にした。
『私ね、みんなの事ホントに大好きなの』
サ「うん」
『だから、みんなの役に立ちたいって思ってる』
サ「うん」
『でもね…私には力もないし能力もないし、知識や技術もないの』
サ「…うん」
『それでも私に出来ることはあると思って、頑張ってたつもり』
サ「うん、頑張ってたの知ってるよ」
『ふふ、ありがとう』
優しく頷いてくれるサンジくんに笑みを向ける。
分かってくれてる人がいて、嬉しかったからだ。
『だけど今回は完璧に失敗しちゃった…』
サ「うん…」
『ゾロが怒るのも当然。言われた事も事実だから何も言い返せなかったの』
サ「Aちゃん…」
『役立たずな自分が悔しくて辛くて、ゾロを怒らせちゃった事が悲しくて苦しくて…』
サ「……」
『一晩中泣いて…でも、このままじゃダメだって思ったから私なりにもう少し頑張ろうと思ったの』
サンジくんは辛そうな顔で床を見ている。
私の為にそんな顔をしてくれているのかと思うと、嬉しいような申し訳ないような…
気付くと私は、彼の頭を撫でていた。
サ「…っ？！//」
『そんな顔しないで？』
サ「……」
『私もう1回頑張るから…応援、してくれる？』
サ「あぁ、もちろんだ。言っただろ？俺はいつだって味方だって」
『ありがとう(微笑』
最後まで話を聞いてくれたサンジくんは、空になったお皿を持って図書室から出て行った。
去り際、夕食はちゃんと摂ることを約束させていったサンジくんは、さすがコックさんだなと笑ってしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みき | 作成日時：2020年8月9日 17時
