千の夜をこえて vol.2 (ページ12)

今日:22 hit、昨日:4 hit、合計:97,625 hit

ｰ61ｰページ12

.

船に鏡を置いてから、私達はまたお店が並ぶ通りをブラブラ歩いている。

すると露店のアイスキャンディ屋さんを発見した。

『あ！アイスだ！』

ゾ「食うか？」

『うん！ゾロは？』

ゾ「俺はいらねぇ」

メニューの中からバニラアイスを選んだ私は、商品を受け取ってペロッと舐めた。

『冷たくて美味しい～♪』

ゾ「そりゃ良かったな」

『ゾロありがと！』

ゾ「おぅ」

お金を払おうとした時、ゾロが先に払ってくれた。

以前カフェに入った時もご馳走してくれたし、ゾロは意外にジェントルマンみたいだ←

『わっ！垂れる垂れるっ(焦』

ゾ「急いで食わねぇと落っことすぞ(笑」

『あむっ……あーぁ、垂れちゃった』

ここは夏島なので気温が高い。

あっという間に溶け始めたアイスをパクっと咥えるが、手に垂れてしまった。

その手に垂れたアイスをペロッと舐めとる。

ゾ「……っ…なんつー食い方しやがんだ//(ﾎﾞｿ」

『んー？何を想像してるのかなぁ～ゾロくん(ニヤ』

ゾ「は？！別に想像なんかしてねぇよ！//」

『そぅ？……ん、甘い』

私はゾロを見つめながら、ペロッとアイスを舐め上げてから咥えてみせた。

すると一つ喉を鳴らしてから、みるみるうちに彼の耳が赤くなる。

ゾ「テメェ…わざとしてんだろ//」

『なんの事？(クス』

ゾ「クソっ…覚えてろよ//」

『ふふ』

ゾロを揶揄うのは楽しい。

リアクションが可愛くて堪らないのだ。

私はゾロの腕に絡めている自分の腕に、キュッと力を入れて彼との距離を近付けた。

ゾ「ん」

『あっ！』

ゾ「うげ……甘ぇ」

『もぉゾロ！なんで半分も食べちゃうの！』

ゾ「仕返しだ(ニヤ」

『もぉ～～～！』

ハハハ！と笑うゾロを私は恨めしそうに睨んだ。

？「ロロノア？！」

ゾ「あぁん？…げっ？！」

『……？』

私達がじゃれ合いながら歩いていると、前方に紫色の髪でメガネを掛けた可愛らしい女性が立っていた。

腰に刀を携えたその女性は、信じられないといった表情でゾロの事を凝視している。

ゾロはゾロで、顔を歪めマズいという顔をしている。

？「おい、たしぎ。どうした？」

すると女性の後ろから悠然と歩いてきた男性がその女性に声を掛けた。

男性は灰色の髪に葉巻を2本咥え、その逞しい胸元を惜しげも無く晒している。

(この人達は、誰？)

.