二節 七部 ページ8
【『多分
男は慌てた様子で出ていき、バタンッと扉が閉まる。
「そういや、初めてここ見つけた時…… なにか、惹き付けられるような感覚があった。
ティナがここのオーナーのこと家主って呼んでた理由って……」
この言葉の続きを言う事に躊躇っていると黒龍が代わりにと言うように言葉を続けた。
「……もしかしたら…あのメイドは、敵「やめて」…」
「まだ、そう決まったわけじゃない、その可能性が少しばかり高いだけで…そんな…敵だなんて……信じたくない……」
耳を塞いで縮こまるナオの姿を見ていたくなく、背を向けたままナオの頭を撫でた。
「………今逃げてても、何れ向き合わねぇといけねぇんだ」
「あぁ、その時は…ちゃんと………」
向き合うよ
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「……ティナ、そういうこと…だよね?宿だと思っていたところは龍が見える奴だけ入れるような場所で……全て君の幻想の能力の世界で………なんで、そんなこと………っ…」
ティナは俯くばかりで、何も言わない。それはこの仮説が正しいと言う事となりナオは泣きそうになる。すると微かに声が聞こえた気がした。
「……ぅ……だ…………」
上手く聞き取れず眉を顰めるが顔を上げたティナはもう味方とは言えなかった。
「いいえ、私の目的は貴方方だからです」
冷たい瞳に思わず後ずさるナオに追い討ちかけるようにティナは引きずるように持っていた剣を持ち上げてナオに刃を向けた。その行動にナオも刀を取り出す。
ナオは信じたくなかった。
今から戦わなければならない、仲の良かった
刃を交えなきゃならない、共に暮らしてきた
_______【彼女】を、殺さなければいけない
:)
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作者名:宇宙ノ彼方 | 作成日時:2019年7月28日 19時