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四節 三部 ページ35

「え〜っと、【お手伝い:報酬二百万G】場所、南区域リコリスの廃屋街」
「リコリスっていったら」
「所謂彼岸花の事だよね」

 正しくはヒガンバナ属の別の花、その姿は咲き方にもよるがネリネやダイヤモンドリリーにそっくりである。が花言葉は全くの逆だ。橙龍があやふやな記憶を頼りに呟く。

「確か、悲しい思い出……」
「他にも深い思いやり、再開、誓い、追想、色々ある、そしてネリネやダイヤモンドリリーはまたあう日を楽しみに、忍耐、輝き、無邪気、あと、幸せな思い出」
「ほんとに真逆なんだな」

 しんみりとした空気の中黒龍は切り替えるように「とりあえず南区域に向かうぞ」と声をかける。黒龍はいつも通りナオを抱え龍の姿へ変え、南に向かった。皆も後を追うように姿を変え飛んでいく。
 上空。南区域に近付けば近付く程、熱が増し暑くなる。

「う〜ん………この暑さだし、あの金額も妥当な気が……」
「……否定が難しいな」

 地に降り立ちナオらはリコリスの廃屋街へ足を進める。

「廃屋街なんだ、貧民窟みたいなものだろうか」
「そう決めつけるのは良くないんじゃないか」
「そうだな、余りいいものでは無いだろうし」

 ナオの右手の小指に着いている指輪のその小さな魔石が光照らし道を示す先へ向かいながらナオは彼らの会話にあぁ、おう、と空返事のように返す。

(何を手伝えってんだ、南区域は魚類産業が盛んではあるが他にも砕石業だって盛んだ、人手が足りないくらい。だがそういうのは求人書に書かれる筈だ依頼書じゃ無い筈な…のに)

 求人書は人を求める所謂アルバイトやらの書類であり、依頼書は自分達ではどうすることも出来ない専門職の人達に頼む書類である。

「主」

 突然後ろに引っ張られる。少し先には繁殖池と呼ばれる深く地を掘って海水を流し込んで生き物を繁殖させるでかい池があった。

「考え事しすぎだ、少し落ち着け」
「す、すまん、ありがとう助かった」
「大丈夫?主様」
「うん、ちょっと、ほんと、考え事ばっかしてっから、大丈夫、」

 ナオは苦笑いで金龍の頭を撫でてまた歩き始めた。何処かぼーっとしている頭の中。

(いやぁダサいダサい、もっとシャキッとしてなきゃ)

 なんて意識を保たせた。





(………何故…?)

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作者名:宇宙ノ彼方 | 作成日時:2019年7月28日 19時

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