六話 ページ7
"スィ様がティアラ様を虐めているらしいんです"
"この間なんてナイフで切りかかったんだとか"
"その前なんて少しのミスで怒鳴ったんですって"
"まぁ！怖いわぁ……"
"そんなことする人じゃなかったのに"
"新しい女性が来たからじゃないかしら"
"嫉妬ね"
"人って変わるものねぇ…"
"男遊びが酷いのかしら"
"それあるかも"
「何が【男遊びが酷い】のでしょうね」
内緒話になってないメイド達の会話を流しながら
書類をトントン様の元まで届ける
コンコンコンコン
ノックをすれば
はぁい、と眠さを越して怠そうな声
「失礼します」
「あぁ、スィさん」
「書類を届けに」
「はいよ、お預かりします」
私から書類を受け取ると
パラパラと確認作業をする
「……ん、これ間違っとる」
「本当ですか、手直し致します」
「いや、いい
一枚二枚増えたところで変わらないし」
「そんな…」
トントン様は席に座り書類を仕分け
私に次の書類を差し出した
「最近増えたな書類ミス
仕事気ぃ抜いてんとちゃう？」
トントン様が言うのであれば
きっとそうなのかもしれない
気を抜く、とは
ぼんやりとしていたりすること
と、認識しているが私はぼんやりしていたのだろうか…
「…………そうかもしれません
以後気をつけます」
書類を受け取ると
トントン様はまた仕事に戻られる
「はい、んじゃ」
「失礼します」
礼をし、来た道を戻る
そう言えば主人に声をかけられていた
私は居るであろう総統室に足を進める
再びノックをすると
誰だ、と低い声が聞こえた
「スィです」
「入れ」
キィ、と大きな扉を開けば
総統閣下はダレながら書類仕事をしていた
そんな嫌々に………
「お話があるとお聞きして」
「あぁ、そうだった
最近変な噂が飛び回るんだ
全く気にしない、という訳にも行かなくてだな
そんな信憑性のない噂でも
外に出回れば何が起こるかわからん
どうにか潰していこうとは思うが
スィ、それに関してなんか困ったことはあるか」
「困ったこと………ですか…」
あらぬ噂でこの国が悪くなるのはよくない
私は何をすれば良いのだろう
「私に何か出来ることはございますか
【火のない所に煙は立たぬ】
根拠が全くないうわさは立たないこととありました
全く身に覚えのない噂ばかりで私は困惑しております
私が何かお役に立つことが出来ることが
あるのであればお力になりたいと
当の本人が何もしないのは、少し…」
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彼方(プロフ) - のんたんさん» ありがとうございます。楽しんで頂けたのなら何よりです。一応後日談や番外編、これを書く上で気をつけていたこと等、書く予定ではありますので、またお会い出来ることを楽しみにしていますね。 (2020年8月8日 23時) (
レス) id: 27a2b67915 (このIDを非表示/違反報告)
のんたん(プロフ) - 貴方様の作品とっても素敵でした！！気づいたら枕がびしょ濡れに､､､また会える日を楽しみにしています (2020年8月8日 18時) (レス) id: 8085edeba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇宙ノ彼方 | 作成日時：2020年4月10日 13時
