【コナン】【文スト】無表情少女は、コナンの世界で人を救う。

ジェットコースター殺人事件 ページ38

NO side

とあるパーティー会場。外の雨の暗い雰囲気に負けず劣らず、とても盛り上がっていた。

其処に、怪しげな男が一人。

男はロープを掴み、屋根の淵を伝った。

一階上のバルコニーに飛び移り、窓から侵入。

その部屋の椅子に座っていた男性を銃で撃った。

その音を聞きつけて、パーティー会場の人達は一斉に上の階へ駆け上がる。

だが、被害者がいるだけで、犯人の姿は何処にもなかった。


車椅子の男「いい加減にしてくれませんかね、目暮警部。これだけのお客さんをいつまで足止めしておくのです。貴方の身寄りの無い捜査にこれ以上付き合っている暇はないんだ。」

目「まあまあご主人。仮にも貴方のパーティーの招待客である八つ菱銀行の山崎頭取が被害に遭われたんですから。もう暫くのご辛抱…」

車椅子の男「この中に犯人が居るとでも言うのかね。」

？「その通りです。」

と言う声と共に、青いスーツの少年と赤髪の少女が部屋に入ってきた。

少年「部屋は中から鍵をかけられて密室。犯人は、三階の隣の窓から侵入し、窓から出ていった。窓の下に足跡はなく、状況は全て内部の人間の犯行である事を示しています。」

車椅子の男「馬鹿な。あそこは隣の部屋から十メートルあるんだ。隣に移るのは無理だ。」

少女「隣の窓から屋根の淵を伝っていけば、山崎さんのいた部屋のベランダ迄残り二メートルもない。」

車椅子の男「ふん。ガキの推理だな。帰りは如何する。ベランダから二メートルもある十センチばかりの屋根の淵に飛び移れる訳がない。」

少年「犯人は隣の部屋を出る時結びつけたロープを持っていきました。帰りはベランダに固定したロープを伝って戻ったんです。」

目「しかし…ベランダに固定したロープは如何やって外したんだね？」

少年「簡単な事ですよ、目暮警部。」

少女「ロープの先に棒を結びつけて、間に引っかけ、緩めると難なく外れる仕組み。」

少年「ベランダを調べてみてください。ロープを固定した時の傷が見つかる筈です。」

目「だが、山崎氏は何故密室状態であの部屋に？」

少年「恐らく内密の話がある、とでも言って内側から鍵をかけて待つよう、犯人が指示したんでしょう。」

車椅子の男「御託はもう沢山だ！一体誰だね！？私の親友、山崎を殺したのは！」

少女「この家の構造をよく知り、あの時間に誰にも怪しまれずに家中を歩き回れた人物はただ一人。其れは…」

目「其れは…？」

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