ピーチティー。 ページ36
太宰 side
彼女は続ける。
「そもそも元なら良いでしょう。貴方は今探偵社の人間だ。その事実があるだけ。其れで十分じゃ無いですか?」
チラリと此方を見た彼女は、何処迄も優しい眼をしていた。
そんなの、狡いじゃないか。全部、話したくなってしまう。
太「…Aちゃん。今日の夜、空いてる?」
「ええ。急にどうしました?」
太「…私の過去について、話そうと思ってね。」
──────
夜、探偵社にて。
国「じゃあ小娘、気をつけて帰れよ。何かあったら遠慮無く太宰を盾にしろ。」
太「えぇ〜国木田君は酷いなぁ…」
国「…太宰に何かされそうになったら遠慮無く殴れ。」
「わかりました。では、また明日。」
太「Aちゃん?国木田君も私への信用ゼロなの?」
国「嗚呼。」
太「清々しい!」
「置いて行きますよ、太宰さん。」
太「えっちょっ待って!」
昇降機に乗り、下に降りる。
外の空気は少し冷えていて、とても気持ちいい。
「私の家で良いですか?どうせもう一回泊まってるし。」
太「嗚呼。構わないよ。」
私達はAちゃんのマンションに向かって歩き始めた。
…誰も何も喋らなかったが、別に気まずくは無かった。寧ろ、無言が今の私には有り難かった。
其の儘暫く歩いていると、マンションに着いた。
昇降機に乗り、Aちゃんの部屋に行く。
Aちゃんが鍵を取り出し、扉を開ける。
「只今〜」
太「お邪魔しまーす。」
相変わらず白く、綺麗な部屋を見渡す。
「どうぞ、好きな所に掛けてください。リラックスして頂いて構いません。」
太「わかった。」
私はソファに腰掛けた。ソファは丁度良い硬さだった。
すると、Aちゃんがコップを両手に持って帰ってきた。
「ピーチティーです。良ければどうぞ。」(ピーチティーは作者の好物です。)
太「おや、有難う。」
マグカップを受け取り、一口飲んでみる。
太「…美味しい。」
「其れは良かった。」
優しい桃の香りとほんのり甘いお茶がマッチしてとても美味しい。
温かいピーチティーは、私の緊張を優しく解いてくれている様だった。
太「…さて、何から話そうか。」
「…別に、無理して話さなくても大丈夫ですよ。」
太「否、君に、Aちゃんに聞いてほしいんだ。」
「…ゆっくりで構いません。一つづつ、教えて下さい。」
怖がらせてしまうかもしれない。そしたら私は、これから先如何しよう。
そんな事を考え乍ら、私は口を開いた。
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みーちゃん(プロフ) - Kさん» 有難う御座います! (2023年3月21日 22時) (レス) id: a7af126f59 (このIDを非表示/違反報告)
K - ゲームが上手い人って憧れますよね!応援してます! (2023年3月21日 20時) (レス) @page30 id: 3ab525940f (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん(プロフ) - 結愛さん» 有難う御座います! コメント嬉し過ぎる… (2023年3月5日 9時) (レス) id: a7af126f59 (このIDを非表示/違反報告)
結愛 - ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁかわいいいいい文豪さん達が尊い作者さん神だぁぁぁぁ (2023年3月4日 19時) (レス) @page18 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたらし | 作成日時:2023年2月24日 18時