きなりいろ3

ピーチブロッサム ページ36

Aside

涙が止まらない。

ほんとに強行突破で私が知らないうちに話が進んでたことに
少し虚しさと苛立ちとがあったけど、
こんなにも真っ直ぐに愛してくれる人に出会えたことが、
私の人生の中で1番幸せなことなんだと思う。

ティッシュを探してリビングに戻ると
会見が始まっていた。

たくさんのフラッシュの中で
穏やかに笑う愛しい人。

翔平"僕は、彼女にもらってばかりなんですよ。
単純に物じゃなくて。家に帰って灯りがついててほっとするとか、幸せそうに笑うからこっちも嬉しくなるとか。
これから先の人生、僕も彼女にとってそんな存在でありたいと思います。"

翔平くんが発する全ての言葉が宝物のようにキラキラして、
心にスッと入って温かくなる。

記者"奥さんも見てるんですかね？何か一言！"

翔平"見てるんですかね？笑 昼寝してるかもしれませんね"

ちょっとした冗談で笑いをとってから、

翔平"うーん、まあ、帰ってから個人的に言いますよ。笑"

とさらりとかわす。

本当に愛しい人。テレビから目が離せなかった。

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