きなりいろ3

トパーズ ページ33

翔平side

日用品、2人用の食器、Aが欲しいと言った家電を買って
全て家に届けてもらうようにした。

朝からワクワク準備しているのも、
隣を歩いて鼻歌が聞こえて来そうなのも、
全部愛おしくて、握った手にぎゅっと力を入れる。

『大体買えたね？』

「最後にもうひとつあるけどね」

『なあに？』

「これ。Aしかつけてないでしょ？俺とお揃いの買わないと。」

そう言って繋いでいるAの左手の薬指を撫でる。

『え！今日？今日はもうお金の使いすぎだから帰ろう！』

「そんなの、いつ買ったって同じでしょ。笑
お揃いのがないと、Aが俺のだって分からないから」

1回反論するくせに、こっちが一言言うとすぐ何も
言えなくなるAに笑いながらジュエリーショップに入った。


ショーケースの前でうんうん唸るAに、
こればっかりは選ばせてあげないとな、と近くで見守る。

『翔平くんはどんなのがいいの？』

「え？Aに似合ってるやつ。」

『もうっ、どんなやつが似合ってるかなんて分からないよ』

「ふふっ、じゃ、これは？」

Aの華奢な手に似合う、シルバーの華奢な指輪。
結局、俺が選んだ指輪をして嬉しそうにするA。
ようやく繋ぎ止めることができた気がして、嬉しく思う。

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